優しく、そっと、抱きしめて。
「え、連絡先……」
面倒くさい、と女の子をあしらっていた彼のことだから、だれかとやり取りするのが面倒くさいと思うタイプなんだと思っていた相手から連絡先を聞かれ、意表を突かれる。
「なに、やなの?……いやならいいけど」
「いやとかじゃないの、本当に。ただ意外で」
宮山くんはそうなの、と言いつつ、ポケットからスマートフォンを取り出すと、メッセージアプリを起動して、QRコードを見せてくる。私も同じアプリを起動して、QRコードを読み取ると、画面に「いおり」の文字と、誰かに取ってもらったバイト先の恰好をした宮山くんの写真が表示される。
宮山くんの連絡先を追加して、よろしくね、のスタンプだけを送信したあと、彼も同じスタンプを送ってきて、隣で、これ小森さんね、覚えた、と呟く。
「宮山くんて、こういう、メッセージのやり取り苦手なのかと思ってたの」
本当に嫌だったわけじゃないことを伝えるために、以前宮山くんが断っていた現場を見たんだ、と伝える。
「それで、嫌なんじゃないかなと思ってた」
「あー、それか。なんていうの、ああいう子深く関わると面倒くさそうでしょ。だから」
だから断った。
面倒くさい、と女の子をあしらっていた彼のことだから、だれかとやり取りするのが面倒くさいと思うタイプなんだと思っていた相手から連絡先を聞かれ、意表を突かれる。
「なに、やなの?……いやならいいけど」
「いやとかじゃないの、本当に。ただ意外で」
宮山くんはそうなの、と言いつつ、ポケットからスマートフォンを取り出すと、メッセージアプリを起動して、QRコードを見せてくる。私も同じアプリを起動して、QRコードを読み取ると、画面に「いおり」の文字と、誰かに取ってもらったバイト先の恰好をした宮山くんの写真が表示される。
宮山くんの連絡先を追加して、よろしくね、のスタンプだけを送信したあと、彼も同じスタンプを送ってきて、隣で、これ小森さんね、覚えた、と呟く。
「宮山くんて、こういう、メッセージのやり取り苦手なのかと思ってたの」
本当に嫌だったわけじゃないことを伝えるために、以前宮山くんが断っていた現場を見たんだ、と伝える。
「それで、嫌なんじゃないかなと思ってた」
「あー、それか。なんていうの、ああいう子深く関わると面倒くさそうでしょ。だから」
だから断った。