優しく、そっと、抱きしめて。
講義室に入って、席に着くと、スマートフォンの画面にアプリの通知が来ていた。「いおり」の名前に一瞬誰だ、と思いながら、すぐに「宮山くん」であることを思い出す。急いでアプリを開くと、「俺、絶対寝るわ、これ」というメッセージの後、丸まって寝ている猫のスタンプが送られてくる。
中庭に現れた眠そうな彼の姿を鮮明に思い出し、ふふ、と声を出して笑いながら、メッセージを送る。
ーーー寝ちゃダメだよ、起きて。
ーーーいや、ほんと無理。おやすみ。
ーーー講義内容わかんなくて困っても知らないよ~
ーーー後でほかの人に聞くからおk
そんなやり取りを何度か繰り返したあと、宮山くんからのメッセージは途絶え、きっと寝ちゃったんだろうなと察する。やり取りが途絶えたところで、真面目に教授の話に耳を傾けながらノートに書き留めていく。
それからはあっという間で、残りの講義も終わり、気が付くと帰宅の時間になっていた。帰る身支度をしていると、アプリの通知が来ていることに気づく。送り主は宮山くん。メッセージを確認すると「待ってる」の一言。
送る先間違えたのかな、と思いつつ、また宮山くんに会えるかも、と思い、講義室から急いで出て、先ほど宮山くんと話した中庭のベンチを見ると、ベンチに体を預けて寝ている宮山くんの姿がある。
中庭に現れた眠そうな彼の姿を鮮明に思い出し、ふふ、と声を出して笑いながら、メッセージを送る。
ーーー寝ちゃダメだよ、起きて。
ーーーいや、ほんと無理。おやすみ。
ーーー講義内容わかんなくて困っても知らないよ~
ーーー後でほかの人に聞くからおk
そんなやり取りを何度か繰り返したあと、宮山くんからのメッセージは途絶え、きっと寝ちゃったんだろうなと察する。やり取りが途絶えたところで、真面目に教授の話に耳を傾けながらノートに書き留めていく。
それからはあっという間で、残りの講義も終わり、気が付くと帰宅の時間になっていた。帰る身支度をしていると、アプリの通知が来ていることに気づく。送り主は宮山くん。メッセージを確認すると「待ってる」の一言。
送る先間違えたのかな、と思いつつ、また宮山くんに会えるかも、と思い、講義室から急いで出て、先ほど宮山くんと話した中庭のベンチを見ると、ベンチに体を預けて寝ている宮山くんの姿がある。