優しく、そっと、抱きしめて。
「え、なんですか」
私はちゃんと断ったし、何かまだ話すことあっただろうか。と首をかしげていると、先輩は思いもよらないことを口にする。
「じゃあ、付き合おうよ」
「えっ……あの、私の話……」
聞いてましたか、と言おうとしたときに、先輩が微笑みを崩さずに言葉を被せる。
「まだ恋愛的な意味で好きじゃないってことでしょ?付き合ってから好きになるって聞かない?付き合って無理だったら別れればいいんだし。俺、やっぱり諦めきれないよ」
ーーーね、だからお試しで付き合おうよ。
そういって、私の腕を掴む手に力が入る。痛い、と声を漏らすと、ハッとしたように慌てて先輩が手を放す。無理です、と私が断るより先に、じゃあこれ俺の連絡先、とメッセージアプリに連絡先を追加すると、
「明日からよろしくね、絃ちゃん」
と、放心状態の私を置いて立ち去ってしまう。待って、と追いかけようとしたところに、三年生の女の先輩が高岡先輩に走り寄り、楽しそうに会話しながら私を置いてそのまま歩いて行ってしまった。
私はちゃんと断ったし、何かまだ話すことあっただろうか。と首をかしげていると、先輩は思いもよらないことを口にする。
「じゃあ、付き合おうよ」
「えっ……あの、私の話……」
聞いてましたか、と言おうとしたときに、先輩が微笑みを崩さずに言葉を被せる。
「まだ恋愛的な意味で好きじゃないってことでしょ?付き合ってから好きになるって聞かない?付き合って無理だったら別れればいいんだし。俺、やっぱり諦めきれないよ」
ーーーね、だからお試しで付き合おうよ。
そういって、私の腕を掴む手に力が入る。痛い、と声を漏らすと、ハッとしたように慌てて先輩が手を放す。無理です、と私が断るより先に、じゃあこれ俺の連絡先、とメッセージアプリに連絡先を追加すると、
「明日からよろしくね、絃ちゃん」
と、放心状態の私を置いて立ち去ってしまう。待って、と追いかけようとしたところに、三年生の女の先輩が高岡先輩に走り寄り、楽しそうに会話しながら私を置いてそのまま歩いて行ってしまった。