逃げる婚約者と追う私
Ⅲ凜音を追いかけ
凜音……。あれから凜音は私から逃げまくっている。せっかく晴れて両思いになったのに……。
ってか、私……大好きなんて…!言うつもり無かったのに……!思い出すだけで恥ずかしい………!!!あんな勢いで告白みたいなこと……!!でも……凜音……すき、って言ってくれたな………。めちゃくちゃ恥ずそうだったけど……あはは。でも……凜音は元がいいから凄まじくかっこよかったなぁ……。両思いなんて…信じられない……!!
せっかく気持ちをぶつけられたんだから……話したいのに……。今日の夜ご飯のときに言ってみるか!
やっと夜ご飯の時間だ!!!今日のメニューは思い出の卵ハンバーグ!!!凜音、喜んでくれるかなぁ〜??
「凜音〜〜!!夜ご飯できたよ〜っ!!」
「はいはい、流愛。てか、呼び方……」
凜音は両思いになったときから少し言葉遣いが柔らかくなったような気がする。
「あぁ、せっかく両思い自覚したから呼びすてにしようと思って!!………駄目…?」
「っ……!!!!駄目じゃねーけど……流愛、自覚ねーだろっ……」
投げ捨てるように凜音は言った。
「え??自覚したから呼び方変えたんだよ??」
なんか凜音の言ってることの意味わかんないんだけど……??
「はぁー……。そっちじゃねーよ。他の男には呼び捨てすんなよ……?」
もー……!するわけ無いじゃん……!さっきだって呼ぶのめちゃくちゃ恥ずかしかったのに……他の男の子になんて……
「当たり前……だよ、凜音だけ…っ!」
「っ…!!!そうかっ……!」
また真っ赤になっちゃった〜照れ屋さんだなぁ〜
「ほんとにすぐ顔赤くなるね〜?」
からかい半分で言ってみたらちょっと睨まれた。
「ごちそうさま。」
凜音はさっさと食べ終えて部屋に籠もってしまった。
「あ!ちょっと逃げないでよ〜!!」
最近凜音はすぐ逃げてしまう。いっさい話してなかったときよりは話してるけど、ちょっと私達の話になる途端逃げちゃうんだよなぁ〜〜私は凜音と話したいのになぁ……
よし、どうにかして凜音を捕まえよう!!
「凜音〜?」
「何?」
前は扉越しだったのか出てきてくれるようにはなったんだけどね〜
「明日の放課後、」
「あ、明日は友達と遊ぶ約束しちゃっただよな…ごめんな?」
そっか……残念…
「いいよ…」
デートしたかったのになぁ
「ごめんて!まじごめん…!」
凜音は悪くないから……落ち込まないで!
「大丈夫だよっ!楽しんできて!夜ご飯何がいい?」
「じゃあ、明日は流愛の一番好きなメニューにしようか」
凜音わかってないけど言ってるよね……??
「…何かわかってないでしょ!」
「え、知ってるよ?オムライスだろ?」
え!?!?なんで知ってるの!?
「なんで………!?私言ってないよね??凜音って特殊能力あったの?」
「ははははははは!!特殊能力……はははは!」
凜音は大笑いし始めた……一回笑うと長いんだよなぁ
「ちょっとー!真剣に言ってるのに!」
「ごめんごめん……ちなみに特殊能力じゃないから!…あははは」
もう……
「真相は?」
「食べるときの顔見てればわかるよ?流愛オムライスときめちゃくちゃ笑顔じゃん」
まさかの顔…っ!?!?
「えー!?そんなに!?」
「すげーわかりやすいよ…めっちゃ幸せそうな顔して食べてる」
そうだったのか……
「じゃあ、嫌いな食べ物はわかる?」
「めちゃくちゃわかる!ピーマンと焼き魚でしょ??」
まじですか……全部顔で分かられてたとは…
「うぐ……嫌そうな顔してた?」
「嫌そうってほどでもないよ?食べる前にちょこっとだけ顔しかめてる」
気をつけなきゃだな〜〜友達とご飯食べるときとかに顔に出ちゃったら申し訳ないし…!
「ねぇ、流愛。また今度、ね」
唐突に凜音はそう言った。
「なにが?」
「デート…でしょ……?」
小さな声そう言ってくれた。また顔真っ赤だけど……
「うん!!!」
「あーもう……心臓に悪い……」
ぼそっとそう呟いた。
「え!?!?だいじょぶ!?凜音!」
「病気の方じゃねーよ……じゃ、寝るわ。」
もう寝るのかぁ〜寂しいなぁ…
「あ……うん……おやすみ?」
「おやすみ。」
それだけ言って凜音はまた部屋に閉じ籠もってしまった。
また籠られちゃったなぁ……ほんと照れすぎ〜
まぁ、そんなとこも好きなんだけど……なんてね!
「凜音!え……。」
教室でそう声掛けたんだけど……凜音の前には女の子がいた。あれは……クラスメイトの月里梨琳(つきざとりりん)ちゃん、かな?派手な金髪をカールさせていて、可愛らしい見た目の子だ。
会話を少し聞いてみる。
「りお君〜!!りお君ほんとイケメンだね!!!私、月里梨琳!よろしく〜!!」
月里さん……凜音のこと好きなのかなぁ……
「ああ。」
「梨琳、みんなからりーりんって呼ばれてるの!!りお君もそう呼んで!」
え……!?月里さん……やめてぇ……
「俺あんまりあだ名は呼ばないから」
「そっか……、じゃあ梨琳かな?」
「名前は…月里じゃ駄目なん?」
あ、よかったぁ……
「別にいいけどーなんか距離、感じちゃうじゃん……?」
んー……凜音が他の女の子と話してるのなんかやだなぁ……
「あんまり馴れ馴れしくするつもりないんだが……」
「えー!?そんなこと言わないでよお…」
「月里にもパートナーいるんだから」
「うちのパートナーめっちゃダサいの!いつも瓶底メガネだし……」
確か月里さんのパートナーは矢ヶ部零(やかべれい)君だよね??
「えー!?あいつ実はイケメンなのに!もったいな!せっかく月里洒落てんだから矢ヶ部のことかっこよくしてやれよ〜!」
そうだったの!?
「え……?あ、うん…やってみるか…あ、アイロンないやぁ…」
私持ってる!!貸してあげようかな!!
「月里さん、私持ってるよっ!」
「えーと……」
そういえば話したことないもんね〜!
「璃浜流愛だよ!」
「るあちん、ありがとお!あと、りーりんでいいよぅ」
明るい子だなぁ〜
「ありがとっ!りーりん!」
「じゃあいきますかぁ!矢ヶ部ーこっち来てぇー?」
矢ヶ部くんは眠そうにこっちに来た。
「ん……?なに…月里さん…」
瓶底メガネはそうだけど…口とか鼻のパーツは綺麗だし……
「ちょっといじらせてもらうよぉ!」
りーりんはそう言って瓶底メガネを外した。
「あっ……なにす…」
イケメン……!
「えー!!イケメンじゃん!矢ヶ部!ごめん今まで!」
「別にいいけど……」
やっぱ眠そうだなぁ……
「じゃ、アイロンするよーりおくんはれいれいの制服着崩させて!るあちんはコンタクト買ってきてくれる?」
「はいはい…」
凜音はちょっとだるそう
「いいよ!!矢ヶ部君、コンタクト大丈夫?」
「うん……」
「どれ買ってくればいいかな?」
コンタクトわかんないだよなぁ〜〜
「えーと、持ってるけど……」
「持ってるなら早く言ってよお!れいれいコンタクトどこ?」
りーりんぐいぐいいくなぁ〜
「ここにある…」
「じゃ、はめてねー」
「うん……」
「完成!!ふう〜やりきった!」
「ほらな、イケメンじゃん!」
「え!すごい〜!!!」
「えと、ありがと……?僕……中学生の頃……ダサいって言われてから諦めてたから…!かっこよくしてもらえて嬉しい……!」
イケメンな見た目と裏腹に笑った顔はとても可愛らしいものだった。りーりんはその笑顔にやられみたいで頬を赤く染めていた。
「ありがとね〜りお君、るあちん!ふたりとも協力してもらっちゃって!ふたりともパートナーは??」
あ、知らなかったのか〜
「あ、流愛は俺のパートナー」
「あ、凜音は私のパートナーだよ!」
ふたりともきれいにハモってしまった。
「ええええええええっ!!そうだったのー!?!?そういえば璃浜流愛と城波凜音って名前有名だもんね!!美男美女で才色兼備って言われてるしぃ!どこかで聞いたことある名前だと思ったら!」
えー!!私達有名だったのー!?
「え……?有名……?流愛美女だって?」
凜音がなにか思ったみたいで呟いた。
「うん!そうだよぉ〜狙ってる男子も多いんだとか」
!?!?!?……ありえない…!!
「ぶっ潰してやる……」
凜音が怖い顔してる……
「凜音!?物騒なこと言わないで!?」
「大丈夫だよ、流愛は俺が守るから。」
そんなこと人前で言わないで〜恥ずかしいって〜
その日から凜音は部屋からいなくなることが多くなった。夕食時は帰ってくるけど……それ以外全部いなくて……
凜音、どうしたんだろう……だいじょぶかなぁ……。
部屋の外では、昼間までは快晴だったのにどんよりとした雲が現れ始めていた。
ってか、私……大好きなんて…!言うつもり無かったのに……!思い出すだけで恥ずかしい………!!!あんな勢いで告白みたいなこと……!!でも……凜音……すき、って言ってくれたな………。めちゃくちゃ恥ずそうだったけど……あはは。でも……凜音は元がいいから凄まじくかっこよかったなぁ……。両思いなんて…信じられない……!!
せっかく気持ちをぶつけられたんだから……話したいのに……。今日の夜ご飯のときに言ってみるか!
やっと夜ご飯の時間だ!!!今日のメニューは思い出の卵ハンバーグ!!!凜音、喜んでくれるかなぁ〜??
「凜音〜〜!!夜ご飯できたよ〜っ!!」
「はいはい、流愛。てか、呼び方……」
凜音は両思いになったときから少し言葉遣いが柔らかくなったような気がする。
「あぁ、せっかく両思い自覚したから呼びすてにしようと思って!!………駄目…?」
「っ……!!!!駄目じゃねーけど……流愛、自覚ねーだろっ……」
投げ捨てるように凜音は言った。
「え??自覚したから呼び方変えたんだよ??」
なんか凜音の言ってることの意味わかんないんだけど……??
「はぁー……。そっちじゃねーよ。他の男には呼び捨てすんなよ……?」
もー……!するわけ無いじゃん……!さっきだって呼ぶのめちゃくちゃ恥ずかしかったのに……他の男の子になんて……
「当たり前……だよ、凜音だけ…っ!」
「っ…!!!そうかっ……!」
また真っ赤になっちゃった〜照れ屋さんだなぁ〜
「ほんとにすぐ顔赤くなるね〜?」
からかい半分で言ってみたらちょっと睨まれた。
「ごちそうさま。」
凜音はさっさと食べ終えて部屋に籠もってしまった。
「あ!ちょっと逃げないでよ〜!!」
最近凜音はすぐ逃げてしまう。いっさい話してなかったときよりは話してるけど、ちょっと私達の話になる途端逃げちゃうんだよなぁ〜〜私は凜音と話したいのになぁ……
よし、どうにかして凜音を捕まえよう!!
「凜音〜?」
「何?」
前は扉越しだったのか出てきてくれるようにはなったんだけどね〜
「明日の放課後、」
「あ、明日は友達と遊ぶ約束しちゃっただよな…ごめんな?」
そっか……残念…
「いいよ…」
デートしたかったのになぁ
「ごめんて!まじごめん…!」
凜音は悪くないから……落ち込まないで!
「大丈夫だよっ!楽しんできて!夜ご飯何がいい?」
「じゃあ、明日は流愛の一番好きなメニューにしようか」
凜音わかってないけど言ってるよね……??
「…何かわかってないでしょ!」
「え、知ってるよ?オムライスだろ?」
え!?!?なんで知ってるの!?
「なんで………!?私言ってないよね??凜音って特殊能力あったの?」
「ははははははは!!特殊能力……はははは!」
凜音は大笑いし始めた……一回笑うと長いんだよなぁ
「ちょっとー!真剣に言ってるのに!」
「ごめんごめん……ちなみに特殊能力じゃないから!…あははは」
もう……
「真相は?」
「食べるときの顔見てればわかるよ?流愛オムライスときめちゃくちゃ笑顔じゃん」
まさかの顔…っ!?!?
「えー!?そんなに!?」
「すげーわかりやすいよ…めっちゃ幸せそうな顔して食べてる」
そうだったのか……
「じゃあ、嫌いな食べ物はわかる?」
「めちゃくちゃわかる!ピーマンと焼き魚でしょ??」
まじですか……全部顔で分かられてたとは…
「うぐ……嫌そうな顔してた?」
「嫌そうってほどでもないよ?食べる前にちょこっとだけ顔しかめてる」
気をつけなきゃだな〜〜友達とご飯食べるときとかに顔に出ちゃったら申し訳ないし…!
「ねぇ、流愛。また今度、ね」
唐突に凜音はそう言った。
「なにが?」
「デート…でしょ……?」
小さな声そう言ってくれた。また顔真っ赤だけど……
「うん!!!」
「あーもう……心臓に悪い……」
ぼそっとそう呟いた。
「え!?!?だいじょぶ!?凜音!」
「病気の方じゃねーよ……じゃ、寝るわ。」
もう寝るのかぁ〜寂しいなぁ…
「あ……うん……おやすみ?」
「おやすみ。」
それだけ言って凜音はまた部屋に閉じ籠もってしまった。
また籠られちゃったなぁ……ほんと照れすぎ〜
まぁ、そんなとこも好きなんだけど……なんてね!
「凜音!え……。」
教室でそう声掛けたんだけど……凜音の前には女の子がいた。あれは……クラスメイトの月里梨琳(つきざとりりん)ちゃん、かな?派手な金髪をカールさせていて、可愛らしい見た目の子だ。
会話を少し聞いてみる。
「りお君〜!!りお君ほんとイケメンだね!!!私、月里梨琳!よろしく〜!!」
月里さん……凜音のこと好きなのかなぁ……
「ああ。」
「梨琳、みんなからりーりんって呼ばれてるの!!りお君もそう呼んで!」
え……!?月里さん……やめてぇ……
「俺あんまりあだ名は呼ばないから」
「そっか……、じゃあ梨琳かな?」
「名前は…月里じゃ駄目なん?」
あ、よかったぁ……
「別にいいけどーなんか距離、感じちゃうじゃん……?」
んー……凜音が他の女の子と話してるのなんかやだなぁ……
「あんまり馴れ馴れしくするつもりないんだが……」
「えー!?そんなこと言わないでよお…」
「月里にもパートナーいるんだから」
「うちのパートナーめっちゃダサいの!いつも瓶底メガネだし……」
確か月里さんのパートナーは矢ヶ部零(やかべれい)君だよね??
「えー!?あいつ実はイケメンなのに!もったいな!せっかく月里洒落てんだから矢ヶ部のことかっこよくしてやれよ〜!」
そうだったの!?
「え……?あ、うん…やってみるか…あ、アイロンないやぁ…」
私持ってる!!貸してあげようかな!!
「月里さん、私持ってるよっ!」
「えーと……」
そういえば話したことないもんね〜!
「璃浜流愛だよ!」
「るあちん、ありがとお!あと、りーりんでいいよぅ」
明るい子だなぁ〜
「ありがとっ!りーりん!」
「じゃあいきますかぁ!矢ヶ部ーこっち来てぇー?」
矢ヶ部くんは眠そうにこっちに来た。
「ん……?なに…月里さん…」
瓶底メガネはそうだけど…口とか鼻のパーツは綺麗だし……
「ちょっといじらせてもらうよぉ!」
りーりんはそう言って瓶底メガネを外した。
「あっ……なにす…」
イケメン……!
「えー!!イケメンじゃん!矢ヶ部!ごめん今まで!」
「別にいいけど……」
やっぱ眠そうだなぁ……
「じゃ、アイロンするよーりおくんはれいれいの制服着崩させて!るあちんはコンタクト買ってきてくれる?」
「はいはい…」
凜音はちょっとだるそう
「いいよ!!矢ヶ部君、コンタクト大丈夫?」
「うん……」
「どれ買ってくればいいかな?」
コンタクトわかんないだよなぁ〜〜
「えーと、持ってるけど……」
「持ってるなら早く言ってよお!れいれいコンタクトどこ?」
りーりんぐいぐいいくなぁ〜
「ここにある…」
「じゃ、はめてねー」
「うん……」
「完成!!ふう〜やりきった!」
「ほらな、イケメンじゃん!」
「え!すごい〜!!!」
「えと、ありがと……?僕……中学生の頃……ダサいって言われてから諦めてたから…!かっこよくしてもらえて嬉しい……!」
イケメンな見た目と裏腹に笑った顔はとても可愛らしいものだった。りーりんはその笑顔にやられみたいで頬を赤く染めていた。
「ありがとね〜りお君、るあちん!ふたりとも協力してもらっちゃって!ふたりともパートナーは??」
あ、知らなかったのか〜
「あ、流愛は俺のパートナー」
「あ、凜音は私のパートナーだよ!」
ふたりともきれいにハモってしまった。
「ええええええええっ!!そうだったのー!?!?そういえば璃浜流愛と城波凜音って名前有名だもんね!!美男美女で才色兼備って言われてるしぃ!どこかで聞いたことある名前だと思ったら!」
えー!!私達有名だったのー!?
「え……?有名……?流愛美女だって?」
凜音がなにか思ったみたいで呟いた。
「うん!そうだよぉ〜狙ってる男子も多いんだとか」
!?!?!?……ありえない…!!
「ぶっ潰してやる……」
凜音が怖い顔してる……
「凜音!?物騒なこと言わないで!?」
「大丈夫だよ、流愛は俺が守るから。」
そんなこと人前で言わないで〜恥ずかしいって〜
その日から凜音は部屋からいなくなることが多くなった。夕食時は帰ってくるけど……それ以外全部いなくて……
凜音、どうしたんだろう……だいじょぶかなぁ……。
部屋の外では、昼間までは快晴だったのにどんよりとした雲が現れ始めていた。