君と私の秘密

急なお誘い〜零斗side〜

ガタガタガタガタ

んん…ふわぁ〜。

ん?授業終わりか…

いや、帰りのホームルームが終わったのか。

俺いつも通り午後はガッツリ爆睡。

そして、気づけば皆ガヤガヤと教室を出ていくところだった。

んー!

帰る支度すっかな。

寝ていたせいで少し出るのが遅くなってしまった。

まぁ、バイトは余裕で間に合いそうだし大丈夫だろ。

呑気に下駄箱へ向かっていると遠くの方で呼ぶ声が聞こえた。

「零斗君〜!」

あ?誰だよ。うるせぇなぁ。

声のする方へ顔を向けると咲恵が手を振っていた。

お前かよ。

「あん?なんだよ?」

不機嫌な俺をよそに咲恵は楽しそうに言った。

「夏休みに5人で海行くよ!」

は?

何言ってんだこいつ。

てか海って何?

「悪ぃけど俺パス。」

海が何なのかは知らねぇけど、昼間に出歩くのなんて絶てぇ無理。

死んじまうって。

俺たち吸血鬼は日にあってはいけない。

そのため基本的には夜にしか活動しない。

人間の体とはい一応吸血鬼のちが通ってるわけだ。

だから、さすがに真夏の昼間に出歩くのいやだ。

「何言ってんの!拒否権ないよ!強制参加です!」

ちょ、まじかよ。

この世界でも拒否権けねぇのかよ。

魔界にも拒否権なんてものはなかった。

魔王様、家族、仕事先、どんな人にどんなこと言われても必ずやらなければならなかった。

嫌なんて言おうものなら拷問確定だ。

こっちに来てまでそれだけはごめんだ。

「まじかよ…わかたったよ。」

その言うしかねぇよな。

「「「はぁ…。」」」

なんでこいつらまでため息ついてんだよ。

俺だって行きたかったねぇよ。

まじで最悪だ。

まぁ、決まったことをうじうじ言ってもしょうがねぇよな。

一旦このことは忘れてバイトだ、バイト!

その夜真樹から電話が掛かってきた。

「もしもし。なに。」

『もっしもーし!今暇?』

「暇じゃねぇよ。切るぞ。」

なんなんだよこいつは。

『まてまて!明日さ、買い物一緒に行こうぜ!』

「行かない。」

『なんでだよ!』

「別に買う物ねぇし。」

『あ、もしかしてお前、海パンとか持ってる感じ?』

か、かい、かいぱん??

なんだそれ。

「なぁ、かいぱんって何?」

『は!?お前海パンしらねぇの!?え!?ガチで言ってんのか!?』

こんなしょーもねぇ嘘ついてどうすんだよ。

魔界にそんなかいぱんなんてもんねぇよ。

「知らねぇよ。」

『ガチかよ…。海とかプールに入る時に履くんだよ。てか、その感じだと持ってねぇよな?教えてやるから一緒に行こうぜ。』

確かに俺は何も知らない。分からない。

こいつと行って教えてもらいなが買った方がいいのかもしれない。

けど…。

「なぁ、それって夜?」

『なんで夜行くんだよ!昼間だよ!あ、もしかして昼間用事あるとか?』

やっぱそうだよな。

日の元を歩くのか…はぁ…憂鬱だ。

「いや、別にない。」

いつも学校へ行く時みたいに日傘をさせば問題ないだろう。

『よし、じゃぁ明日の12時に待ち合わせな!場所はまたメール入れとくから!じゃな!おやすみ!』

「分かった。おやすみ。」

はぁ…めんどくさい。

しかたないか。

これもこっちで生きてくためだ。

とにかく今日はもう寝よう。

おやすみなさい。

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