君と私の秘密
翌日。
は?この場所電車使うの?
電車ってどうやって乗んだよ。
とにかく降りる駅は携帯で調べりゃどうにかなる。
携帯は魔界にもある。
何かと便利だからって魔界でも使われるようになった。
だから、使える。
あークソ!
切符ってなんだ?
どこでどうやって買う?
頭を抱え悩んでいると、後ろから女が声をかけてきた。
「あの、どうしました?」
ナイスタイミングじゃん!
この人に聞くしかねぇ!
「すいません。普段電車を使わないので乗り方が分からないんです。教えていだけませんか?」
「いいですよ!」
丁寧に切符の買い方、駅への入り方を教えてくれた。
約束の時間より30分押しになっちまった。
「ありがとうございました。」
女に一礼し俺はその場を後にした。
やべぇ、急がねぇと。
場所どこだよ。
キョロキョロと辺りを見回しているとどこかで呼ぶ声が聞こえた。
「おーい!零斗!こっちだこっち!」
声のする方へ顔を向けると、真樹がブンブンと手を振っていた。
その隣で秋羅もこちらに小さく手を振っていた。
いた。
2人の元へ走って向かった。
「悪ぃ!」
すると2人はニカッと笑い、
「いいよいいよ!寝坊なんて誰にでもある事だしよ!」
ん?なんの話しをしてる?
あ、そうか。
俺、遅れるとしか伝えてねぇから寝坊だと思われてんのか。
「寝坊じゃねぇよ。電車の乗り方が分かんなかったんだよ!」
……。
いや、なんだよこの沈黙わ!
「はぁ!?」
真樹が大声を上げた。
「ばか!声でけぇよ!」
「あ、悪ぃ。けど、お前普段電車乗らねぇの?」
「一度も乗ったことねぇよ。今日が初めてだ。」
そいうと、黙って聞いていた秋羅が口を開いた。
「ねぇ、もしかして零斗ってお金持ちなの?」
「はぁ?」
何言ってんだこいつ。んなわけあるか。
「あ、違った?ほらお金持ちの人ってリムジンとか高級車で送り迎えされてて、電車とかそいうのは使わないイメージなんだよね。ドラマとかではそうだからさ。」
あーなるほど。
電車の乗り方を知らないって聞いてそれを想像したのかよ。
まぁ、普通そう思うよな。
誰が吸血鬼だとか狼男だとかそっちの方を考えるかっての。
「前は金持ちのお坊ちゃんだった。けど、今は違う。」
もう、そういうことにしとこう。
そうすりゃ探られることも、バレることもねぇだろ。
「やっぱりそうだったんだ!すごいね!」
秋羅はなんだか嬉しそうだ。
「てかお前さ、そういうことなら早く言えよバカ!迎えに行ってやったのにさー。」
真樹はプクッと頬を膨らませた。
「まさか、電車使うとは思わなかったんだよ。悪かたったよ。てかほら、さっさとかいぱん?だっけ?買いに行こーぜ。」
「あ?お!そうだな!秋羅行こーぜ!」
「おう!」
そして、着いたのはショッピングモールとやらだ。
名前なんだっけか。
確か…ス、スマイ…スマイルモール!
なかなかデケェな。
色んなところを興味深々に見ていると、
秋羅に小声で、来たことないの?と聞かれた。
俺は素直に頷いた。
すると、秋羅は真樹に何か耳打ちした。
そして、2人は何階にどんな店があってどんなことをするのか。
どのように使うのか、どうやって買うのかなど沢山教えてくれた。
こいつら、案外親切な奴ら。
そうこうしてるうちに、目的の店に着いた。
でかでかとcolorful!!と表示されていた。
なんなんだよ、カラフルって。
どんな服があんだよ。
恐る恐る中へ入ると、色とりどりでかっこいい系からカワイイ系まで色々並んでいた。
どれがいいのか全くわからん。
そんな俺をよそに2人は、あれはどうだこれはどうだとはしゃぎまくっている。
あー帰りてぇ。
「零斗は決まったか?」
「いや。真樹達は?」
「決まったぜ!俺は、星柄で秋羅は亀の絵が書いてあるやつ!いいだろ〜!」
嬉しそうなこいつらには悪いが全く良さがわからん。
「特に希望がないなら俺がいい感じのやつ選んでやるけど?」
「じゃぁ頼むわ。」
「おっけー!」
そう言って1分も経たないうちにこれで!と満面の笑みで持ってきた。
「これなに?」
「イルカだぜ!」
イルカ?なんだそりゃ。
「へーじゃぁそれでいい。」
「決まって良かったね」
ふふっと秋羅が笑った。
静かに頷いた。
「よーし!じゃぁ、買い物終わったし、飯食って帰ろうぜ!秋羅と零斗は何食いたい?俺はなんでもいいぜ!」
何食いたいって聞かれても何あるか分かんねぇ。
なんなら腹なんか減らない。
吸血鬼の血が通ってるせいか腹は空かないが喉が渇く。
血が欲しい。
そして、この暑さと日光のせいで俺の体力はほとんど残ってない。
「はい!確かここの三階に美味しいカツ丼あったよね。そこ行こうよ。俺、カツ丼食べたい。」
か、かつどん?
また知らないワード。
「零斗いいか?」
「ああ。」
その後、俺達は雑談をしながら楽しく飯を食って
帰路についた。
帰り道、ふいに真樹が問いかけてきた。
「なぁ、ずっと気になってたんだけどさ、なんでお前いつも日傘さしてんの?」
そんなこと気になるのかよ。
まぁ、登下校や遊びに行く時だけならまだしも、体育の授業ですらさしてっから気になんのは当然か。
「焼けたくねぇから。」
「「女子か!」」
2人から見事にツッコミをくらった。
「なんか病気とかかと思って心配したのによ。
損したぜ。」
「ちげーよ。ばーか。」
「な!?お前な!」
こんなやり取りを秋羅くすくすと笑いながら楽しそうに見ていた。
「駅ついたけど、零斗帰れる?なんなら俺と真樹家まで行こうか?」
「大丈夫大丈夫!帰れっから心配すんな!」
じゃーなとその場を後にした。
今日は、なんだかんだで悪くない1日だったな。
知らないこといっぱいだったけど、あいつらがちゃんと教えてくれたから少しは楽しいと思えた。
うみ…だっけ?
行くの、少しだけ楽しみになったな。
その日はいい一日になりますように。
は?この場所電車使うの?
電車ってどうやって乗んだよ。
とにかく降りる駅は携帯で調べりゃどうにかなる。
携帯は魔界にもある。
何かと便利だからって魔界でも使われるようになった。
だから、使える。
あークソ!
切符ってなんだ?
どこでどうやって買う?
頭を抱え悩んでいると、後ろから女が声をかけてきた。
「あの、どうしました?」
ナイスタイミングじゃん!
この人に聞くしかねぇ!
「すいません。普段電車を使わないので乗り方が分からないんです。教えていだけませんか?」
「いいですよ!」
丁寧に切符の買い方、駅への入り方を教えてくれた。
約束の時間より30分押しになっちまった。
「ありがとうございました。」
女に一礼し俺はその場を後にした。
やべぇ、急がねぇと。
場所どこだよ。
キョロキョロと辺りを見回しているとどこかで呼ぶ声が聞こえた。
「おーい!零斗!こっちだこっち!」
声のする方へ顔を向けると、真樹がブンブンと手を振っていた。
その隣で秋羅もこちらに小さく手を振っていた。
いた。
2人の元へ走って向かった。
「悪ぃ!」
すると2人はニカッと笑い、
「いいよいいよ!寝坊なんて誰にでもある事だしよ!」
ん?なんの話しをしてる?
あ、そうか。
俺、遅れるとしか伝えてねぇから寝坊だと思われてんのか。
「寝坊じゃねぇよ。電車の乗り方が分かんなかったんだよ!」
……。
いや、なんだよこの沈黙わ!
「はぁ!?」
真樹が大声を上げた。
「ばか!声でけぇよ!」
「あ、悪ぃ。けど、お前普段電車乗らねぇの?」
「一度も乗ったことねぇよ。今日が初めてだ。」
そいうと、黙って聞いていた秋羅が口を開いた。
「ねぇ、もしかして零斗ってお金持ちなの?」
「はぁ?」
何言ってんだこいつ。んなわけあるか。
「あ、違った?ほらお金持ちの人ってリムジンとか高級車で送り迎えされてて、電車とかそいうのは使わないイメージなんだよね。ドラマとかではそうだからさ。」
あーなるほど。
電車の乗り方を知らないって聞いてそれを想像したのかよ。
まぁ、普通そう思うよな。
誰が吸血鬼だとか狼男だとかそっちの方を考えるかっての。
「前は金持ちのお坊ちゃんだった。けど、今は違う。」
もう、そういうことにしとこう。
そうすりゃ探られることも、バレることもねぇだろ。
「やっぱりそうだったんだ!すごいね!」
秋羅はなんだか嬉しそうだ。
「てかお前さ、そういうことなら早く言えよバカ!迎えに行ってやったのにさー。」
真樹はプクッと頬を膨らませた。
「まさか、電車使うとは思わなかったんだよ。悪かたったよ。てかほら、さっさとかいぱん?だっけ?買いに行こーぜ。」
「あ?お!そうだな!秋羅行こーぜ!」
「おう!」
そして、着いたのはショッピングモールとやらだ。
名前なんだっけか。
確か…ス、スマイ…スマイルモール!
なかなかデケェな。
色んなところを興味深々に見ていると、
秋羅に小声で、来たことないの?と聞かれた。
俺は素直に頷いた。
すると、秋羅は真樹に何か耳打ちした。
そして、2人は何階にどんな店があってどんなことをするのか。
どのように使うのか、どうやって買うのかなど沢山教えてくれた。
こいつら、案外親切な奴ら。
そうこうしてるうちに、目的の店に着いた。
でかでかとcolorful!!と表示されていた。
なんなんだよ、カラフルって。
どんな服があんだよ。
恐る恐る中へ入ると、色とりどりでかっこいい系からカワイイ系まで色々並んでいた。
どれがいいのか全くわからん。
そんな俺をよそに2人は、あれはどうだこれはどうだとはしゃぎまくっている。
あー帰りてぇ。
「零斗は決まったか?」
「いや。真樹達は?」
「決まったぜ!俺は、星柄で秋羅は亀の絵が書いてあるやつ!いいだろ〜!」
嬉しそうなこいつらには悪いが全く良さがわからん。
「特に希望がないなら俺がいい感じのやつ選んでやるけど?」
「じゃぁ頼むわ。」
「おっけー!」
そう言って1分も経たないうちにこれで!と満面の笑みで持ってきた。
「これなに?」
「イルカだぜ!」
イルカ?なんだそりゃ。
「へーじゃぁそれでいい。」
「決まって良かったね」
ふふっと秋羅が笑った。
静かに頷いた。
「よーし!じゃぁ、買い物終わったし、飯食って帰ろうぜ!秋羅と零斗は何食いたい?俺はなんでもいいぜ!」
何食いたいって聞かれても何あるか分かんねぇ。
なんなら腹なんか減らない。
吸血鬼の血が通ってるせいか腹は空かないが喉が渇く。
血が欲しい。
そして、この暑さと日光のせいで俺の体力はほとんど残ってない。
「はい!確かここの三階に美味しいカツ丼あったよね。そこ行こうよ。俺、カツ丼食べたい。」
か、かつどん?
また知らないワード。
「零斗いいか?」
「ああ。」
その後、俺達は雑談をしながら楽しく飯を食って
帰路についた。
帰り道、ふいに真樹が問いかけてきた。
「なぁ、ずっと気になってたんだけどさ、なんでお前いつも日傘さしてんの?」
そんなこと気になるのかよ。
まぁ、登下校や遊びに行く時だけならまだしも、体育の授業ですらさしてっから気になんのは当然か。
「焼けたくねぇから。」
「「女子か!」」
2人から見事にツッコミをくらった。
「なんか病気とかかと思って心配したのによ。
損したぜ。」
「ちげーよ。ばーか。」
「な!?お前な!」
こんなやり取りを秋羅くすくすと笑いながら楽しそうに見ていた。
「駅ついたけど、零斗帰れる?なんなら俺と真樹家まで行こうか?」
「大丈夫大丈夫!帰れっから心配すんな!」
じゃーなとその場を後にした。
今日は、なんだかんだで悪くない1日だったな。
知らないこといっぱいだったけど、あいつらがちゃんと教えてくれたから少しは楽しいと思えた。
うみ…だっけ?
行くの、少しだけ楽しみになったな。
その日はいい一日になりますように。