君と私の秘密

お土産

翌日

「今日はどんな感じで回る?」

「適当でいいんじゃねぇの?」

「はぁ…ほんと真樹はバカ。」

「はぁ!?誰が馬鹿だよ!」

えーと…何この状況って感じだよね。

今日で帰るからお土産を買いに行こうって、

昨日話してたんだけど、

朝ロビーに集まってすぐどんな順番で回るかで

真樹と咲恵が言い合ってます。

どうしてこうなるのよ…。

昨日は昨日でご飯の時間に喧嘩し出すし。

そう。実は昨日も喧嘩があったのだ。

喧嘩っていってもすっごく些細なことで始まったの。

座った場所。

たったそれだけの事で喧嘩だよ。

私の左に咲恵が座っていたから、

たまたま私の右が空いていた。

そこに、零斗くんが座った。

で、何故か分からないけど真樹が怒り出した。

なんでお前がそこに座るんだよーって。

それに咲恵が、うるさーいって怒って喧嘩スタート。

ほんと、昨日も止めるの大変だったのに

今日まで喧嘩ですか…。

「あ、あのさ、向こう行ってから決めない?」

「「え?」」

いや、ハモった。

「あ、いや、その、ここで決めてもさ、向こう行ったらやっぱりここも行きたい!ってなるかもしれないし。ね?」

「ふふ、みぃちゃんの言うとりだね。俺はみぃちゃんの意見に賛成。」

秋羅…!やっぱり良い奴!

「俺も賛成。」

零斗くんもナイス!

「ふん!俺だってみぃの意見に賛成だし!」

だからなんでそんなに零斗くんに対抗するのよ!

「ほらほら、さっさと行くよー。

さえちゃん行こっか。」

秋羅の言葉を合図にみんなぞろぞろと歩きだした。

ホテルから歩いて30分くらいのところにたくさんのお土産屋さんがある。

「フロントのお姉さんが言ってた通りたくさんお店あるね。」

「そうだねー。あ!咲恵!私、あのお店行きたい!行ってもいい?」

私が見つけたのは、くまちゃんをモチーフにしたものが沢山売っているお店。

「いいよ!私もみたい!私たちあのお店行くけど男子はどうする?」

「俺らは向こうの店みてるな。」

そう言って真樹が指さしたのは、少し厳つめなお洋服屋さんだった。

「了解!見終わったらそこのなんでも市場って店に集合ね!」

「「「「了解!」」」」

ゾロゾロと解散した。

「このお店いっぱいくまさんあるね!みぃは何か買う?」

「気に入ったのがあれば買って帰ろうかな。」

「ねぇ!お揃いで買おうよ!」

「いいね!それ!」

うーん。

どれがいいかなぁ。

あ、これ可愛い。

私は近くにあったバングルを手に取った。

「お!みぃ可愛いの持ってんじゃん!

それにする?」

「え…いいの?これでも?」

「いいよ!
みぃとお揃いならなんでもありっしょ!」

「ありがとう!やったー!」

くまさんの柄が入ったピンク色のバングルを購入し、早速2人でつけてみた。

「いいねー!写真撮るから腕出して!」

-カシャ-

「私にも後で送って貰ってもいい?」

「いいよ!」

ふふ、また1つ幸せな思い出が増えたな。

嬉しい。

「じゃ、男子たちと合流しますか!」

「うん!」

私たちはなんでも市場という名のお土産屋さんへ向かった。
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