君と私の秘密
そんな日々を過ごし気づけばもう6日も経っていた。

旅行から1週間だ。

餌も見つけれていなければ、仕事も上手くいかずやけくそに働いて、俺は何しているんだろうか。

そろそろ真剣に餌を決めなくてはいけない。

どーすっかなぁ。

俺は今日もバイト終わり血を探しフラフラと歩いていた。

なんとなーく暗い路地に入ると女が1人歩いていた。

こいつの血でも貰うか。

「おねぇーさん!」

「はい?」

へぇ可愛いじゃん。

「ちょ、ちょっと何するんですか!?」

言葉を無視し女を抱きしめた。

そして、方に吸い付いた。

その瞬間明るい光が俺を照らした。

眩し、なんだ?

顔を上げるとそこには立ち尽くすみぃの姿があった。

やべ!?

とりあえず口止めしねぇと。

そう思い俺は女を放置しみぃの方へ向かった。

すると、みぃは凄い勢いで逃げ出してしまった。

「おい、待て!」

そう叫んだがフル無視されてしまった。

マジかよ。

けど追いつけねぇ速さじゃねぇし、このまま追いかけるしかねぇな。

俺は走りまくった。

そして、ようやくゴンビニの手前で捕まえることが出来た。

口を塞ぐという手荒なまねをしてしまったのは申し訳ないが仕方ないよな。

すると、みぃは

「零斗くん!?な、なんでいるの!?」

と驚いた。

いやいや、お前さっき思っきり見てたろ。

「なんでじゃねーよ!」

イラッとしてつい怒り口調になってしまった。

みぃは、俯いたまま黙り込んでしまった。

やっちまったよ。

このまま黙り込まれても何も解決はしないので俺は口を開いた。

「お前…見たんだろ?」

「何も見てないよ。」

はぁ?無理あんだろ、その嘘は。

また、イラッとする。

「おい、正直に言えよ。」

キツい言い方をしてしまった。

また、黙ってしまうだろうか。

「ごめん…なさい…見ました。」

あ、黙らなかった。

やっぱり見たよな。

どうすっかなぁ。

あ、いいこと思いつたぞ!

「やっぱりな。はぁ…。

見られたからには仕方ねぇよな。」

「ま、まって!れ、零斗君は吸血鬼なの?」

「はぁ?お前見たんだから聞かなくても分かってんだろ。バカかっての。」

見て知ってんのになんでわざわざ聞くんだよこいつは。

はぁ。とひとつため息を付き、よし!一か八かやってやるぜ!

気合いをいれもう一度ちゃんとみぃの方を見ると、

何故かみぃは目を瞑りじっと何かを待っていた。

何してんだ?こいつ。

俺は一瞬不思議に思ったが、もしやと魔王様が言っていた噂の話を思い出した。

こいつ、俺に殺されると思ってんな。

そうならば丁度いい。

俺はみぃの頭にそっと手を乗せた。

予想外の行動だったのだろう。

少し驚いた顔をしている。

「お前これからは俺の餌な。1日1回血吸わせろ。あ、もしバラしたりしたら即殺すからな。」

そう言うとさらに驚いた顔をして、

「え、なんで…?」

と、怯えていた。

「あ?なに?嫌なの?嫌ならここで即殺す。」

そう脅すとみぃは今度は焦りだした。

「え、餌になります!だから殺さないで!」

「ふ、ははは!おもしれぇ奴。」

こいつマジかよ、はは。

ほんと面白ぇな。

自分から餌になりますなんて言うやつがいるかよ。

よっぽど死にたくないんだろうな。

「時間取らせて悪かったな、また明日な。」

そう伝え、俺は来た道を戻った。

俺の餌が見つかった。

あいつ結構困ってたな。

はは、困った顔超可愛かったなぁ。

……って俺は何を考えてんだ!

そんなことよりあいつの血は美味いのだろうか?

明日からが少し楽しみだな。
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