君と私の秘密
そして、翌日の放課後。

「おーい、そこの実行委員長のメガネくん!」

「な、なんでしょうか?咲惠さん。」

「え、なんで敬語…。まぁいいわ。私ら3人も何したらいい?」

「では、そこの看板の下書きと色塗りをお願いします。」

「了解!」

私たちは委員長に言われた通りに仕事を始めた。

「んじゃ、私水入れてくるね!」

咲惠がいれにいってくれたので私はペン等の準備をすることにした。

あ、零斗くんになにも指示してないけど分かるかな?

そう思い零斗くんをチラッと見ると、

やはりどうしていいのか分からないのだろう、

キョロキョロし、置いてある絵の具や看板を触れたり手に取ったりし不思議そうに見ていた。

んーとりあえず零斗くんには見本の絵を渡して下書きしてもらおうかな?

そう考え零斗くん方へ行こうとしたとき、

一緒に残っていた3人グループの女子の1人が声をかけた。

「零斗くんも手伝ってくれてたんだ!ありがとう!」

「別に。みぃが残るつったから残っただけだし。」

素っ気なく伝えると、女子たちはあからさまにえ、という顔をしていた。

こら!余計なことをいわないの!

心の中で叫びながら準備を進めた。

「へーそうなんだ!あ、困ってるなら私たちが教えよっか?」

「はぁ?」

うわぁ…零斗くんかなり不機嫌になっちゃったよ。

「別にいい。分かんねぇことはみぃに聞く。だから、いちいち話しかけてくんな。」

ちょっとー!なに油に火注ぐようなこと言っちゃってんですか、あんたはー!!

「えー、そんな事言わないでよ。仲良く一緒にやろうよ!」

猫なで声をだし零斗くんの服を掴んでいる。

-モヤ-

なんか、やだ。

いやだから、やだってなに!?

「うっせぇ。触んな。これは、俺とみぃに任されたことなの。お前らには関係ねぇだろ。」

ちょい待ちーー!?

俺とみぃって、咲惠もだからね!?

咲惠をなぜ省く!?

「わ、分かったよ。」

女子たちはそこまで言われ諦めたのか、自分の持ち場へ戻った。

私は。戻ったのを見計らい零斗くんの元へ戻った。

「はい、零斗くんペン持って。下書きしてくよ。」

「遅せぇ。てか、下書きってなに?」

「このデザインを元にこの板に鉛筆で絵を描くの。ほら、何も無い状態でぶっつけ本番で書いて失敗したらダメだから、練習として書くの。」

「ふーん。分かった。書く。」

私たちは渡されたデザインを元に下書きを始めた。

「なぁ、咲惠は?」

「そういえば戻って来ないよね。」

水を入れに行くと言って15分は経つけど…

そんなに混んでるのかな?

そもそも、学校の水道そこまで混むことある?

無いと思うんだけどなぁ。

零斗くんとうーんっと考えていると、

「ごめん!遅くなった!いやー秋羅に会ってさ、ついつい話し込んじゃったんだよね!」

あはっと咲惠は笑った。

あーなるほど。

「あはじゃねーよ。遅せぇよ。下書き始めてっからな。」

「お、ありがとう!てか、零斗くんよく下書きわかったね!すごい!」

「はぁ?んなもん、わかんねぇよ。みぃに教えてもらったんだよ。」

「なーんだ、そうなの。てか、零斗くんて本当にみぃ好きだよね。」

ぬぁーーー!?

咲惠!なんてことを教室で言うのよ!

聞こえてませんように。

「なんだよ急に。」

「いや、いつもみぃみぃ言ってるからさ。」

「悪ぃかよ。」

「別に悪くわない。けど、別に他の子でも良くない?ってことまでみぃみぃ言ってるから大好きなんだなって思って。」

「何言ってんだお前。他のやつでいい事なんてひとつもねぇの。」

「あ、あっそうなの。そんなみぃがいいの?」

「当たりめぇだろ。」

あのーお二人とも場所を考えて話してください。

さっきから凄ーく睨まれてるんです。

他の女子に!

怖いのよ!怖い!

でも、その反面嬉しい気持ちもあった。

零斗くんが私が良いと言ってくれたから。

どうしてそれが嬉しいのか私には全く分からなかった。

だかは、自分のことなのに他人事のように思える。

そんな嬉しい気持ちのまま私はせっせと下書きを進めた。

「みぃ!17時半だよ!バイト行かなきゃだ!」

「あ、ほんとだ。よし、じゃ今日はここまでまだね!」

「これ、どうすんの?」

「ん?このまま置いとくよ。この部屋は準備するために借りた部屋だからこの看板このまま置いておいても問題ないの。」

「ふーん。」

今日は下書きが半分くらいまで終わった。

1時間で半分行けば上出来じゃないかな。

私たちはさっとさと片付けをし委員長に挨拶をして帰った。

「お疲れ様です!バイバイ!」

「お、お疲れ様です!」

メガネくんは私たちが怖いのだろうか?

話しかけると絶対オドオドするんだよね。

そんなことを考えながら廊下に出るとクラスの女子とすれ違った。

その時、軽く舌打ちをされた。

さっきの会話が聞こえていたのだろう。

会話だけでなく、零斗くんひっつき虫かのように私に引っ付いているのも気に食わないのだろう。

はぁ…今後いじめとかに合わなきゃいいけど。

ほら、アニメとか小説の中でよくあるじゃん?

イケメンに好かれて虐められる的なシーン。

そういうのが起きなきゃいいんだけどね。

あーーそんこと考えててもしょうがない!

やめやめ!

よし!仕事頑張るぞー!

私は気合いを入れ直しバイトへ向かうのだった。
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