君と私の秘密
その日から私たちは毎日放課後に残り、せっせと文化祭の準備を進めた。
零斗くんは毎日変わらず放課後も私にベッタリだ。
トイレに行く以外は基本私の隣からはなれない。
他の子が話しかけても、ほっとけだのうるせぇだの関係ねぇだのといい、一切関わろうとしない。
そのおかげで私はほかの女子に睨まれ威嚇されております。
で、極めつけが付き合っているのではないか?という噂までクラスで出始めた。
あちゃーだよほんと。
けど、気にしてるのは私だけのようで。
零斗くんは一切気にせず私に、あれはなんだ、これはなだ、どうすんの?、次は?と聞いてくるし引っ付いてくる。
あなたは、ほんとにひっつき虫ですか!?
じゃ、いやなの?って聞かれるとそうじゃないし。
最近ほんとに自分がよく分からない。
咲惠は咲惠で私たちを微笑ましそうに見てるし。
挙句の果てには付き合わないの?って聞いてくるし。
それに対して零斗くんは、
こいつはただのダチだ
っと言った。
ちょっとショックだったんだよね。
いやなんでショック受けてんのって話なんだけどさ。
もともとはただの餌だったんだから、友達に昇格出来たってだけでも喜ばないとだよね!
まぁ、こんな感じで放課後は、毎日大忙しなんですよ。
そして、今日でラストスパート!
まだ少しだけある塗れてない所を塗って全ての作業が終わりだ。
忙しかったし色々と疲れたけど楽しかったなぁ。
「よし!完成!終わったよー!お疲れ様みい、零斗くん!」
「お疲れ様!」
「……。」
ん?零斗くん?
零斗くんの声がしないと、思い隣をチラッと見ると
俯き黙りしていた。
「おーい。零斗くん、大丈夫?」
咲惠が呼びかけるとハッと顔を上げた。
「おう。大丈夫。ごめん。」
なにか、様子が変だ。
みんなが、出来たー!おわったー!と喜んではしゃいでいる中、零斗くんだけボーッとしていた。
「零斗くん、ほんとに大丈夫?体調悪いんじゃない?」
そう聞くと、何故か零斗くんは不安そうに目を彷徨わせながらこう言った。
「大丈夫。ちょっと疲れただけだから。」
「そうなの?ならいいけど。」
「うん。」
ほんとに疲れだけならいいんだけど、なんだか様子がおかしいんだよね。
どうおかしいの?って言われると分からないけど、なにかがいつもと違う気がする。
私はまぁ、本人が大丈夫と言うなら大丈夫だろうと思い片付けを始めた。
初めて数分後。
-ガシャン!-
隣からなにか落ちる音がした。
「あ、ご、ごめん。ふらついて落とした。」
どうやら、零斗くんがパレットと私の筆箱を落としてしまったらしい。
「あちゃー何やってんの。しっかり持ちなよ。」
咲惠は落ちたものを拾い渡そうとしたが、それは私がもらい片付けることにした。
だって、微かに零斗くんが震えていたから。
一旦咲惠から貰ったものを机に置き零斗くんに声をかけた。
「ねぇ、零斗くん大丈夫?怪我してない?」
「し、してない。」
「うん。ならよし!じゃ、零斗くんは教室で片付け終わって帰るまで休憩ね。終わったら声かけるからね。」
なるべく優しく伝えた。
「いや、でも…」
「いいのいいの!じゃまた後でね!」
私は零斗くんを休ませ片付けに戻った。
一体急にどうしたのだろうか?
心配になりながらも皆と共に片付けを進めていた。
すると突然1人の女子がこちらへ話しかけてきた。
「ねぇ、あんた零斗くんのなに?付き合ってんの?」
「ううん。付き合ってないよ。ただの友達。」
「そうなんだ。だったらさ、もっと行動考えなよ。零斗くんは皆の零斗くんなんだからさ!」
零斗くんが痛くなったのをいいことに私を罵倒しに来たようだ。
「ごめ…」
謝ろうとしたとき、
「ちょっとあんた馬鹿じゃないの!?そんなにみぃが羨ましくて悔しいなら自分から持っと近づけばいいじゃない。ま、無理か!零斗くんに嫌われてるものね!あんたが性格ブスだから!」
咲惠が止めに入ってくれた。
「な!?あんたには関係ないでしょ!?」
「関係あるよ!親友だから!」
「はぁ!?なんなのよ、もういい!」
咲惠に圧倒されたの女子はどこかへ去っていってしまった。
「ありがとう、咲惠。巻き込んでごめんね。」
「いいのいいの!あんな奴ら一切気にしなくていいからね!気にせず恋を楽しみなさい!」
「ありが…ん?恋?誰が誰に?」
「え!?みぃが零斗くんにだよ!まさかの自覚なし!?」
え?え?えーーー!?
私、零斗くんを好きだと思われてたの!?
「咲惠、私、別に零斗くんに恋してないけど?」
「はぁ…ま、今はそれでいいや。そのうち気づく時が来るさ!」
気づくも何もほんとに違うのに…。
うーん…と私は悩んだ。
そんな私のことは放って置いて咲惠は片付けを再開しだした。
再開をし30分後には片付け終わった。
はぁ、なんか怖い目にあったせいかドっと疲れた。
零斗くんを呼びに行ってさっさと帰ろっと。
「咲惠は秋羅と帰るの?」
「そうそう!みぃは零斗くん?」
「うん!今から呼びに行くの。」
「じゃ、ここでお別れだね。バイバイ!明日の体育祭楽しもうね!」
「うん!バイバイ!」
私は2つ隣の教室へ急いだ。
ガラガラっと教室の扉を開けた。
「零斗くん!終わっ……あれ?」
教室には零斗くんの姿はなかった。
帰ったのかと思ったが、机の上に鞄があったのでどこかに居るはずなのだ。
トイレかな?
自分の席に座って帰ってくるのを待っていようか。
そう思い教室の中へと足を進めたときだった。
教卓の下の隙間から制服がチラッと見えたのだ。
え?零斗くん?
まさかとは思ったが一応確認しておこうと教卓を覗いた。
あ、いた。
教卓の下で体育座りをし耳を塞ぎ蹲っていた。
「零斗くん、終わったから帰るよ。どうしたの?こんなところで。」
ビクッとしこちらを向いた。
「み、みぃか。いや、別に。ここが寝心地良かっただけ。終わったんなら帰ろうぜ。」
「うん。」
本当にそれだけなのだろうか。
なんだか、違和感しかないけど。
無言のまま私たちは校門へ向かった。
「あ、みぃ!」
「え、咲惠?帰ったんじゃなかったの?それに、真樹もいる。」
「真樹は、秋羅と一緒にいたから3人で帰ろっか!ってなっているの!私は、みぃにこれ返すの忘れてたから待ってたの!ごめんね!」
そう言って咲惠は今日の家庭科で貸した色鉛筆を差し出してきた。
あ、貸したの忘れてた。
「そんなの、全然いつでも良かったのに。ありがとね!」
「いえいえ!」
ふふっと笑いあっていると真樹が零斗くんに声をかけた。
「零斗、今日さ体調悪かったんだってな。大丈夫か?俺も心配だから一緒に送ってく。」
そう言って真樹が少し近づく。
すると、零斗くんはどうしたのか私の手をキュッと握り俯いた。
「いい。みぃが一緒に帰ってくれるから。そ、それに真樹家遠いし悪ぃから。」
「遠慮すんなよー!てか、お前、付き合ってもねぇのにみぃの手を握るんじゃねーよ!」
そう言って真樹は私たちの手を離した。
「ご、ごめん。」
「こらー真樹。いい加減にしなさいよ。零斗くんのことはみぃに任せて私たちはさっさと帰るよ!じゃーね、みぃ!」
「バイバイ!」
咲惠に引っ張られながら真樹はずっと文句を言っていた。
「帰ろ、零斗くん。」
「おう。」
家に向かい歩いていると零斗くんがボソッと呟いた。
「ごめん。手握って。」
「ん?別にいいよ。ちょっとびっくりしたけど。」
ふふと笑ってみせた。
「ほら、家ついたよ!ゆっくり休んで明日元気に体育祭楽しもう!じゃ、バイバイ!」
「おう、バイバイ。」
そう、明日は体育祭当日だ。
皆と楽しめるといいな。
明日は頑張るぞ!
後々何が待ってるかなんて知りもせず私は浮かれていた。
零斗くんは毎日変わらず放課後も私にベッタリだ。
トイレに行く以外は基本私の隣からはなれない。
他の子が話しかけても、ほっとけだのうるせぇだの関係ねぇだのといい、一切関わろうとしない。
そのおかげで私はほかの女子に睨まれ威嚇されております。
で、極めつけが付き合っているのではないか?という噂までクラスで出始めた。
あちゃーだよほんと。
けど、気にしてるのは私だけのようで。
零斗くんは一切気にせず私に、あれはなんだ、これはなだ、どうすんの?、次は?と聞いてくるし引っ付いてくる。
あなたは、ほんとにひっつき虫ですか!?
じゃ、いやなの?って聞かれるとそうじゃないし。
最近ほんとに自分がよく分からない。
咲惠は咲惠で私たちを微笑ましそうに見てるし。
挙句の果てには付き合わないの?って聞いてくるし。
それに対して零斗くんは、
こいつはただのダチだ
っと言った。
ちょっとショックだったんだよね。
いやなんでショック受けてんのって話なんだけどさ。
もともとはただの餌だったんだから、友達に昇格出来たってだけでも喜ばないとだよね!
まぁ、こんな感じで放課後は、毎日大忙しなんですよ。
そして、今日でラストスパート!
まだ少しだけある塗れてない所を塗って全ての作業が終わりだ。
忙しかったし色々と疲れたけど楽しかったなぁ。
「よし!完成!終わったよー!お疲れ様みい、零斗くん!」
「お疲れ様!」
「……。」
ん?零斗くん?
零斗くんの声がしないと、思い隣をチラッと見ると
俯き黙りしていた。
「おーい。零斗くん、大丈夫?」
咲惠が呼びかけるとハッと顔を上げた。
「おう。大丈夫。ごめん。」
なにか、様子が変だ。
みんなが、出来たー!おわったー!と喜んではしゃいでいる中、零斗くんだけボーッとしていた。
「零斗くん、ほんとに大丈夫?体調悪いんじゃない?」
そう聞くと、何故か零斗くんは不安そうに目を彷徨わせながらこう言った。
「大丈夫。ちょっと疲れただけだから。」
「そうなの?ならいいけど。」
「うん。」
ほんとに疲れだけならいいんだけど、なんだか様子がおかしいんだよね。
どうおかしいの?って言われると分からないけど、なにかがいつもと違う気がする。
私はまぁ、本人が大丈夫と言うなら大丈夫だろうと思い片付けを始めた。
初めて数分後。
-ガシャン!-
隣からなにか落ちる音がした。
「あ、ご、ごめん。ふらついて落とした。」
どうやら、零斗くんがパレットと私の筆箱を落としてしまったらしい。
「あちゃー何やってんの。しっかり持ちなよ。」
咲惠は落ちたものを拾い渡そうとしたが、それは私がもらい片付けることにした。
だって、微かに零斗くんが震えていたから。
一旦咲惠から貰ったものを机に置き零斗くんに声をかけた。
「ねぇ、零斗くん大丈夫?怪我してない?」
「し、してない。」
「うん。ならよし!じゃ、零斗くんは教室で片付け終わって帰るまで休憩ね。終わったら声かけるからね。」
なるべく優しく伝えた。
「いや、でも…」
「いいのいいの!じゃまた後でね!」
私は零斗くんを休ませ片付けに戻った。
一体急にどうしたのだろうか?
心配になりながらも皆と共に片付けを進めていた。
すると突然1人の女子がこちらへ話しかけてきた。
「ねぇ、あんた零斗くんのなに?付き合ってんの?」
「ううん。付き合ってないよ。ただの友達。」
「そうなんだ。だったらさ、もっと行動考えなよ。零斗くんは皆の零斗くんなんだからさ!」
零斗くんが痛くなったのをいいことに私を罵倒しに来たようだ。
「ごめ…」
謝ろうとしたとき、
「ちょっとあんた馬鹿じゃないの!?そんなにみぃが羨ましくて悔しいなら自分から持っと近づけばいいじゃない。ま、無理か!零斗くんに嫌われてるものね!あんたが性格ブスだから!」
咲惠が止めに入ってくれた。
「な!?あんたには関係ないでしょ!?」
「関係あるよ!親友だから!」
「はぁ!?なんなのよ、もういい!」
咲惠に圧倒されたの女子はどこかへ去っていってしまった。
「ありがとう、咲惠。巻き込んでごめんね。」
「いいのいいの!あんな奴ら一切気にしなくていいからね!気にせず恋を楽しみなさい!」
「ありが…ん?恋?誰が誰に?」
「え!?みぃが零斗くんにだよ!まさかの自覚なし!?」
え?え?えーーー!?
私、零斗くんを好きだと思われてたの!?
「咲惠、私、別に零斗くんに恋してないけど?」
「はぁ…ま、今はそれでいいや。そのうち気づく時が来るさ!」
気づくも何もほんとに違うのに…。
うーん…と私は悩んだ。
そんな私のことは放って置いて咲惠は片付けを再開しだした。
再開をし30分後には片付け終わった。
はぁ、なんか怖い目にあったせいかドっと疲れた。
零斗くんを呼びに行ってさっさと帰ろっと。
「咲惠は秋羅と帰るの?」
「そうそう!みぃは零斗くん?」
「うん!今から呼びに行くの。」
「じゃ、ここでお別れだね。バイバイ!明日の体育祭楽しもうね!」
「うん!バイバイ!」
私は2つ隣の教室へ急いだ。
ガラガラっと教室の扉を開けた。
「零斗くん!終わっ……あれ?」
教室には零斗くんの姿はなかった。
帰ったのかと思ったが、机の上に鞄があったのでどこかに居るはずなのだ。
トイレかな?
自分の席に座って帰ってくるのを待っていようか。
そう思い教室の中へと足を進めたときだった。
教卓の下の隙間から制服がチラッと見えたのだ。
え?零斗くん?
まさかとは思ったが一応確認しておこうと教卓を覗いた。
あ、いた。
教卓の下で体育座りをし耳を塞ぎ蹲っていた。
「零斗くん、終わったから帰るよ。どうしたの?こんなところで。」
ビクッとしこちらを向いた。
「み、みぃか。いや、別に。ここが寝心地良かっただけ。終わったんなら帰ろうぜ。」
「うん。」
本当にそれだけなのだろうか。
なんだか、違和感しかないけど。
無言のまま私たちは校門へ向かった。
「あ、みぃ!」
「え、咲惠?帰ったんじゃなかったの?それに、真樹もいる。」
「真樹は、秋羅と一緒にいたから3人で帰ろっか!ってなっているの!私は、みぃにこれ返すの忘れてたから待ってたの!ごめんね!」
そう言って咲惠は今日の家庭科で貸した色鉛筆を差し出してきた。
あ、貸したの忘れてた。
「そんなの、全然いつでも良かったのに。ありがとね!」
「いえいえ!」
ふふっと笑いあっていると真樹が零斗くんに声をかけた。
「零斗、今日さ体調悪かったんだってな。大丈夫か?俺も心配だから一緒に送ってく。」
そう言って真樹が少し近づく。
すると、零斗くんはどうしたのか私の手をキュッと握り俯いた。
「いい。みぃが一緒に帰ってくれるから。そ、それに真樹家遠いし悪ぃから。」
「遠慮すんなよー!てか、お前、付き合ってもねぇのにみぃの手を握るんじゃねーよ!」
そう言って真樹は私たちの手を離した。
「ご、ごめん。」
「こらー真樹。いい加減にしなさいよ。零斗くんのことはみぃに任せて私たちはさっさと帰るよ!じゃーね、みぃ!」
「バイバイ!」
咲惠に引っ張られながら真樹はずっと文句を言っていた。
「帰ろ、零斗くん。」
「おう。」
家に向かい歩いていると零斗くんがボソッと呟いた。
「ごめん。手握って。」
「ん?別にいいよ。ちょっとびっくりしたけど。」
ふふと笑ってみせた。
「ほら、家ついたよ!ゆっくり休んで明日元気に体育祭楽しもう!じゃ、バイバイ!」
「おう、バイバイ。」
そう、明日は体育祭当日だ。
皆と楽しめるといいな。
明日は頑張るぞ!
後々何が待ってるかなんて知りもせず私は浮かれていた。