冷徹官僚は高まる激愛を抑えきれない~独占欲で迫られ懐妊いたしました~
ゆっくりと水着を脱がせて、自分も脱いだ。由卯奈が視線を明後日の方に向けているのがかわいくて喉が詰まって、息もできない。
綺麗な身体を見下ろした。
由卯奈が風邪を引いたあの日、身体を拭いてやろうとパジャマのボタンをはずしてわずかに見えた白い谷間。
子供のように恥ずかしくなり、目を逸らしたそこをからまた目を逸らし、唇にキスを落とす。深く繋がるキス……
やがて離れると、つうっと銀の糸が繋がる。
ぺろりと彼女の首筋を舐めると、由卯奈が高く声を上げて俺の肩を押す。
「だ、めっ」
「それ、ダメな声だと思ってるのか?」
彼女の初心なかわいさに、思わずからかいたくなってしまう。
「どんな声……っ」
初めて与えられるであろう感覚に戸惑い喘ぐ彼女の白い肌に吸い付き、痕を残す。
俺のだ。
俺の、俺だけの……。
どろどろと湧き上がる情欲と独占欲で、感情のセーブが効かない。
恥ずかしげに口もとに手をあて、浅く呼吸を繰り返す由卯奈の髪をなでる。
何度も、何回も。
「由卯奈」
声が掠れ、胸が痛んだ。
よくもこんな純真な彼女に、俺は「ほかに男を作ってもいい」なんて言えたものだ。
「すまなかった」
なんとかそう口にする。
「……え?」
「いい、……夫になる。今さらだろうか」
指先で彼女を撫でる。ここにいるのを確かめるように……由卯奈が深く深く息を吐き出す。
「前言撤回させてくれ。挽回のチャンスをくれないか」
「ど、うして……急に……っ、あ!」
鎖骨に噛み付きべろりと舐めると、由卯奈の声が微かに甘く漏れる。
「……いつか話す」
そう言うのが精一杯だった。
思えば、よくもあんな冷たい男に優しくしてくれたものだ。
冷静であれと自らに課しすぎて、なにもかも億劫になっていた。
そんな俺を、君は優しく溶かしてくれた。
たとえ、金銭的な目的があったとしても、それでも、彼女からの真心は真実だと信じられる。
そんな由卯奈を、愛してしまった。
「大事にする」
そうして始めた律動で、甘くいやらしく、愛おしい妻を揺さぶっていく。