Departure in the late teens
複雑だった。 こんなにも ドキドキして可愛らしい出来事の中で マジが好きな女性が悠姫であるということ。


マジは同じひとつ屋根の下で暮らして家族のような人。


自分より歳上で 優しいお兄ちゃんのような存在感もあり 貴史、由紀夫と離れてからは いつも一緒に行動して楽しませてくれる存在でもある。


マジとの付き合いは長い。
その中で マジがこんなに自分の気持ちを向ける女性は見たこともなく それを知っているがゆえに. . . . .。。)


悠姫が好いてくれた自分の存在が複雑だった、、、、、。


いろいろと頭の中を かけめぐり眠りにつけなさそうだったが 香取のび太君は 知らないうちに夢の中へ旅立った。

ZZZ. . .。 ° ZZ. . .。°°


悠姫((あ、、 やっぱり悠姫より先に寝ちゃった。。。))



次の日も午前中は目一杯スキーを楽しみ昼食を済ませると帰路へと向かった。


スキー帰りの車中は いつも ありえないくらい眠くなるのが当たり前の明日和だったが 今回は違った。


マジが運転する車の助手席には豊樹、豊樹の後部座席には明日和、その横には悠姫、 運転してくれるマジを気遣い 皆、話しを盛り上げて楽しんでいた!


いつになく楽しく盛り上げていた。盛り上がっていた。後部座席の二人は特に。


たまたま、シートの上に下ろしていた手に悠姫の手がぶつかって触れた瞬間から 二人の手と手は握りあっている状態になった。


前の席からは見えない位置で 手を握り合いその上に上着を乗せ、二人はあえて体が引っ付き合わない位置に座って 手を握り続ける行為をごまかした。


マジが悠姫を思う気持ちを知っていたけど もう止めれなかった。


申し訳ないと思う気持ちがあると言えば それは 口先だけの言い訳にしかならないことも分かっていたけれど 止めれなかった。


こんなに悠姫のことを意識して 胸が熱くなる日が、夏に二人だけで海水浴に行ったのちに また訪れるとも思ってみなかった。


二人きりにならなくても 見られない空間をつくりながらだけど 愛しあえた。。。


なんとも複雑な思いを抱えたままの三人の関係になってしまった。してしまった。


そして、このスキー旅行を終えたあとくらいから マジが悠姫にアタックする勢いが加速した。


明日和と悠姫の仲を勘づかれた訳でもなかったが とにかくマジのアタックは続き 明日和なしでも悠姫を誘うようにもなっていた。


悠姫は ただただ 明日和とマジの仲を壊さないようにと 明日和が居なくてもマジと会う日を繰り返した。


その頃 明日和はマジからも 「俺、頑張るから ゆうくんとの仲を見守って欲しい!それで当分 二人きりで会いたいんだ!」などと 言われ 三人のメンバーから外された。


明日和は悠姫と たまに電話で話すだけの仲になってゆき、そのうち 明日和は自分の心の内を押し殺し 悠姫を遠ざけるような態度をとるようになった。


プルル. . プルル. . プルル. . プルル. . .。


悠姫(あすくんの バカ、、、、、(涙)




そんなまま月日は半年くらいが過ぎ、 マジの学生時代の友達、広橋(ひろはし)が明日和の働く店の近くにある クラブに一緒に来て欲しいと誘いがあった。


どうも広橋のお気に入りの女の子の好きなVブランドを明日和が好んで着ている事を知りメンズでそのVブランドを着る人に会ってみたいという理由だった。


明日和は広橋のおごりでクラブに客として入店する。


ここで 広橋のお気に入りの女の子と服の話しで盛り上がりはしたが 明日和の接客をした ちあきとも知り合うことになる。


ちあき(はじめまして! お隣失礼します。)

明日和(どうぞ! はじめまして。)

ちあき(今日、初めてですか?)

明日和(はじめてだよ。こちらの広橋くんに連れられて。)

ちあき(広橋くんとは どんな関係?お仕事仲間ではなさそうで?)


明日和(そうだね。仕事仲間ではなくて 友達の友達って感じだね。広橋君の友達と僕がむかし一緒に働いてて仲良くてね、それで広橋君と知り合って ここに来た訳。)


ちあき(そうなんだぁ!)
(ちなみに こういう場所 ホントは初めてではないよね? )


明日和(なんで?)
(こういうところは 初めてだよ。)


ちあき(え?ホントに?だって初めての人らしさが全くないけど)


広橋(ハハハハハ!!よく分かってるじゃん!明日和!とぼけとったらいかんて!(笑)


ちあき(ほらぁ!!やっぱり〜(笑)

明日和(勘が鋭すぎだよ〜 やっぱり〜)

ちあき(へ? なに?その やっぱりの使い方?(笑)

明日和(普通の やっぱりの使い方だと思うけど。ちあきちゃんの名前は やっぱり ひらがなでいいの?)


ちあき(んん? キャハハハハハ!)
(なんか ウケるけど ちょっとぉ!)

(ひらがなでわるいか!?(笑)


明日和(いや! ひらがなでもいいと思うよ!かわいいと思うよ!)

ちあき(絶対 そう思ってないでしょ〜!!(笑)


明日和(思ってるよ〜! 誤解しないでほしいなぁ。ちなつちゃん。)

ちあき(ん!? )
(ち・あ ・き!! ちなつじゃないっちゅーの!(笑)

バコッ⭐︎!!
明日和の腕に ちあきはパンチした!

明日和(イタッ!!(笑)
(どら 過激派やん!!(笑)

ちあき(キャハハ!!でも こういうの好きでしょ?(笑)

明日和(そんなこと ある訳な〜い!)

ちあき(うそ うそ〜(笑))
明日和(うそじゃない!)



その時、他の席のホステスが客を連れてカラオケが始まった。


広橋(明日和! おい明日和!)

明日和(へ?)

広橋(見て見て あの今から歌う子!! )
(あの子が 朋ちゃん似の子な!)

明日和(あ! 言ってた子ね。)

ちあき(優ちゃんホント似てるよね(笑)

明日和( ゆうちゃん!?)

ちあき(そう!優ちゃんだよ!なにか?)


明日和(・・・・・・)

ちあき(なに?どうしたの?優ちゃん気に入っちゃった?(笑)


ほっとした瞬間しゅんとした瞬間♪
どっちの時だって結局あなたを♪
考えちゃうから信じちゃうから♪
家族や友達にどうしたって言われる♪
永遠に届かない正確な情熱は♪
空回りWow どのくらい♪
遠回りYeah どのくらい♪


明日和(そんな訳ないでしょ!!)

ちあき(なによ!今頃!ビックリするなぁ!!(笑)


今夜不機嫌な顔で別れちゃった♪
ごめんねそこまでは♪
広く心をもてなかった♪
LOVE IS OLL MUSIC ♪
LOVE IS OLL PEOPLE ♪
大事なぬくもりが大切な宝物 ♪
ララララ大好きで♪
ララララ大切で♪
ララララ終わらない♪
ララララ止まらないWow♪


明日和(・・・・・・・・・。)


ちあき(顔が似てるから 声まで似てる気がしちゃうよね(笑)

明日和(ま、 まあね。 そうかもね。)

ちあき(ねえ! なんか へん〜!!)
(ホントは 優ちゃん 気に入っちゃったんじゃないのぉ?)

明日和(そんなことないって! ただ、歌、、、うまかったね、、、。)


別に歌がうまかろうが 下手だろうが どうでも良かった。朋ちゃん似なんてことも、、、ただ 悠姫を思い出してしまったのと、 歌の詩が変に胸の奥に響いてきたのと、 悠姫の笑顔が懐かしかった、、、、、。)


ちあき(明日和くんって 彼女いるの?)


明日和(いないよ。)

ちあき(・・・・・)

(そう。。。)
(じゃあさぁ!ちょっと携帯貸してよ⭐︎)


明日和(え? どうするの、、、)


ちあきは明日和の携帯の裏にプリクラの写真を貼った。

明日和(えぇ!!)

ちあき(キャハハハ⭐︎ 彼女いないなら わたしのプリクラあげる(笑)♡

(大事に貼っといてよぉ⭐︎)


明日和(剥がれちゃったら?)

ちあき(剥がれちゃったら?じゃなくて それ 剥がしちゃったら?ってことじゃないのぉ!?)

(ねえ!! そんな いじわるするタイプじゃないよねぇ?)

明日和(そんなタイプかもよ!(笑)

ちあき(つっ! このやろぉー!)

バスッ!!

ちあきのパンチが明日和の腕に炸裂した!

明日和(でた〜!! 過激派ちなつ〜!(笑)

ちあき(ちあきだっちゅ〜の!!(笑)

バスッ!!

明日和(ハハハハハ!!もう、めちゃくちゃな子だなぁ!!)

ちあき(めちゃくちゃで結構!!はい⭐︎飲んで⭐︎飲んで(笑)

(じゃあ⭐︎ 広橋くんも 佳乃(よしの)ちゃんも 一緒に かんば〜〜い⭐︎)

みんな(かんぱ〜〜〜い⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎)


どこか、こう、心の奥底にぽっかりと空いてしまった穴を ごまかすかのように 飲んでこの場を凌ぎ、そのうち 酔って その日は終わっていった。。。




クラブで ホステス優のカラオケ曲
「華原朋美のアルバムstorytellingのLove is all musicより引用
作詞 : 小室哲哉」


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