Departure in the late teens
Departure12
〜また会いましょう〜
(おっつ〜〜!!)
タッ! タッ!タッ!タッ!タッ!!
バタン!!
ドタバタ ドタバタ =3 ドサッ!!
(おっつ〜〜⭐︎)
ヨシくんが ちあきの前を走って車まで来て ドアを開けてあげると 助手席に飛び乗ってくる!
毎週木曜日の夜は仕事終わりに ちあきと二人で会っていたが 美成(よしなり)も来る時は、とにかく明日和と会えるのを楽しみに待っているらしく 美成のテンションはキョーレツに高い!
ちあき(ヨシくん! そこはダメ!!)
(後ろで おとなしく座ってて!!)
明日和の車の前列はベンチシートで 美成はよく明日和と ちあきの間に座りたがった。
ちあきに注意されアームレストを倒すと背もたれの間をすり抜けて後ろへ移った。
美成が来る木曜の夜は だいたい気の向くままにドライブをするパターンだった。
美成は幼いので夜に連れ歩く時は車の中でテレビを見させたり大好きな曲を聴かせてあげたり お腹が空いたら お菓子をあげたりして 三人でドライブデートをした。
美成は だいたい 一時間くらいすると指をくわえながら寝てしまうので 後部座席をフラットにして枕と掛け布団を用意していて いつでも寝れるようにしていた。
ただのドライブだけど ただ一緒に三人で過ごせれば それだけで幸せに感じれた。
そう、三人でいる時はどんな時でも幸せに感じれていたが この時は まだ明日和自身、この関係を自分の親に話す勇気がなかった。
なぜなら この三人での行動は友達からも 心配されるくらいだったからだ。
いずれ ちあきちゃんと一緒になったとしても 自分と血が繋がってない子供を育てるなんて 相当大変なことだって!絶対辞めた方がいい!!
女の子ならまだしも 男の子を育てるのは特に大変なんだから!!
もし自分との子ができたら 両方同じように可愛がれるとも限らないよ!!
絶対 自分の子のが かわいくなるって!!
それでもって手に職がないから 手伝ってもらうこともできないよ!!
車の免許も持ってないの? 今時 車も乗れないと不便だよ!!
夜の仕事をずーっとしてた子が昼間の仕事続けれるかね?
みんながみんな口を揃えて そう言ってきた。心配してくれているのは分かる。
しかし 明日和の心には一切 そんな言葉は響かなかった。
逆に言われれば言われるほど ちあき達を自分の力で幸せにしたくなったし あまり偏見の目で見る人は友達でも会いたくなくなった。
そんなある日 二人をアパートまで送った時に車から降りて 明日和に手を振ると 夕陽に染まり仲良く手を繋いで歩く哀愁漂う後ろ姿を見て強く心に違った。
絶対この二人が涙する日をつくってはいけない! 自分がまもる!!
と こんな気持ちを胸に ちあき達と過ごす日が続くと 朝帰りも増えて 母親には心配された。
母、久代(あんた 最近よく朝帰りしてるけど あまり寝ないで仕事に行ってて大丈夫なの?)
(睡眠不足で疲れて運転してると そのうち事故もするよ!!)
明日和(大丈夫!!ちゃんと仕事もできてるし そんな疲れてないから!!)
久代(そう言ってもねぇ、あんた 気をつけないと ホントにそのうち倒れるよ!!)
明日和(大丈夫、大丈夫!! そんなに心配ばかり してなくていいから!!)
久代(まったく、、、、、)
(バカ息子 親の心配 かえりみず)
明日和(訳のわからん五七五 詠んどらんでいいわ!!(笑)
(じゃあ、行ってきます!!)
親の心配をものともせず出勤したその日は 忙しかった。
予約の電話も朝から何度も鳴り スタッフ一同 アタフタ働いていた。
そんな中 後輩の原川君が 二回ほど予約ではないような内容の電話対応をしていた。
そして 明日和が担当する お客さんを終わらせると マスターの奥さんからお呼びがかかった。
奥さん(あすくん!! ちょっといい!?)
明日和(はい!! なんでしょう?)
明日和は奥さんが呼ぶ店の裏口から出ると、奥さんが深刻な顔をして
奥さん(あすくん、 あのね、 驚かないで聞いてね(汗)
明日和(は、 はい。)
奥さんの異様な雰囲気に正直 焦らずにはいられなかった!
(・・・・・・・・(汗)
奥さん(あのね、 今、あすくんの親戚の武内さん?から電話があってね)
明日和(はい?(汗)
((なんで親戚から電話なんだ!?(汗))
奥さん(あすくんのお家、火事になっちやったんだって!(汗)
明日和(えぇ!!? (汗)
奥さん(うん、でも、 あのね 、少し燃えただけみたいだから 心配しないでね、 あの、でも一度 お家に帰ってきて欲しいみたいなの!(汗)
明日和(そ、 そうなんですか(汗)
(じ、じゃあ、、、少し燃えただけなら そんなに心配することないですよね!! (汗)
奥さん(そ、そう!だから 運転だけ気をつけて 慌てないで一度 お家に行ってみてよ!(汗)
明日和(はい!!(汗) ちょっくら 見に行ってきますわ!)
(すみません(汗) 忙しい時に、、)
奥さん(いいのよ! いいのよ! とにかく気をつけて行くのよ!!(汗)
マスター(あすくん!! ホントに気をつけて行くんだよ!!)
明日和(ハイ!! すみません!! 失礼します!!)
((えらいことだ!! いったいどうなってんだ!?))
((何度掛けても電話は繋がらないし(汗))
((なんで電話に出ないんだ!!))
安全運転なんて なんとなくしかできなかった!!
飛ばせる道は アクセル全開で 走り続けた!!
そして、家の近所まで行くと 野次馬の人だかりが目についた。
次の瞬間 我が家に目を向けると、
絶望した、、、、、、、、。
少し燃えたどころか、全焼だった。
心配かけると家まで運転して帰ってくる時に事故を起こすといけないからという思いやりで 少し燃えただけと伝えられたようだった。
電話だって繋がる訳がない!家に繋がる電線は焼け落ちていた。
燃えた建物の横庭では親戚の人達と両親が話しこんでいて 一階の黒焦げになった衣装部屋にあった自分の服が全部溶けて水浸しになっているのが確認できる。
当然 全ての部屋で燃えるものは 全て黒焦げに、燃えにくいものは 溶けて 窓は全て割れてなくなり 壁もなくなるところは 燃え落ちて 天井は崩れ空が見え、家中水浸し。
何もかもが仕事に行っている間に なくなってしまった。
親戚、武内のおばさん
(あ!!明日和くん 帰ってきたのね!!)
明日和(どうしてこんなことに?、、、(汗)
おばさん( それがね、、、、)
明日和の兄の部屋が火元で火事となったようだ。
明日和には 病気とされて家に引きこもる八つ年上の兄がいて
その兄で裕一は身体の七割を火傷して久代が家に戻った時には救急車で運ばれていたようだ。
明日和の父、春明は 夜勤明けで寝ている時に犬の鳴き声と煙に気づきパジャマのまま慌てて家の外に逃げて怪我はなかった。
明日和(お母さん、ヴィヴィアン は?)
久代は 嗚咽しながら全て自分が見たことを説明してくれた。
この日、久代は家の近くにある職場まで出勤していたが 火事に気づいた近所の人が 久代の勤める会社まで報告に来たので慌てて家に戻ると消火作業中だった。
久代はこの時に飼っていた愛犬ヴィヴィアンの安否が当然気になり 家に近づくと ヴィヴィアンの鳴き声が聞こえた。
ヴィヴィアン は 助けやすい一番手前の部屋まで逃げてきていたらしく 久代は助けようとした。
しかし 真剣に消火作業に取り組む隊員に
隊員(奥さん!!何してるの!?)
(危ないから下がって!!)
久代(犬がいるんです!!(涙)
(大切な犬が ここの部屋に居るんです!!(涙)
ワン!ワン!ワン!ワン!
隊員(犬!?)
(犬なんていいから!!奥さんが危ないから下がって!!)
(はやく!!)
久代(犬がいるんです!!(涙)
隊員(危ないですから!!)
ワン!ワン!ワン!ワン!ワン!
久代(ヴィヴィぢゃぁあん!!(涙)
(あああああぁ(涙) うああぁぁぁ(涙)
ワン! ワン! ワン! ワン!
ワン! ワン!
ワン! ワ、 ヮ、 、
ヮ. . . .
(ヴィヴィぢゃぁぁぁぁあん(涙)
そして鎮火後 久代は一番手前の部屋のソファーの下に隠れて横たわり 少しだけ息のあるヴィヴィアン を抱き寄せた。
全身は水浸し 口の中は爛れて半開きになって眼光も弱くなっていたらしい。
たまたま火事の情報を知らされた明日和の友達で竜也が 駆けつけてきてくれて ヴィヴィアンと両親を車に乗せて動物病院に連れて行ってくれたらしいが 車中で久代が声をかけたら一声 (ワン!!)と鳴き 動かなくなったらしい。
もう涙も出なかった。
あまりにも衝撃的な出来事が突然に自分の身に降りかかると泣くことすら忘れてしまうものだった。
何か残った物はないのか?気になり 焼け焦げた家の中に入ってみたが そこにあったのは ただ今日の朝まで家族が生活をしていた空間が無理矢理 燃やされて溶かされて流された現実だけだった。
少しでも使えそうなものを探しても ほとんどが 灰やすすが混ざって濡れていて 使い物にならなくなっていた。
そして この夜から親戚の武内宅に 居候させてもらうことになった。
500坪くらいある土地に建つ家で一人暮らしをしていたから 離れの家をまるまる使わせてもらえ、そこはありがたいことで助かった。
明日和はシャワーを浴びて昼間の作業で汚れた手を見ると
明日和((爪、汚れてるし伸びてるなぁ、、、、 切らないと))
(( 爪切り、、、ないよな、、、、))
そう 何もかも無くなってしまったので爪切りですら 何もかも また買い集めなくてはいけなくなってしまった。
明日和((当分、ちーちゃん達とも会えないかもしれないなぁ、、、))
((デートで着る服すらないし))
((ハ、ハハハハハ))
((笑えちゃうなぁ、、、、下着も靴下もシャツだってパンツだって 仕事着だって 買い集めなくてはいけない、、、))
((こんなに なにもない男、魅力ないだろうなぁ、、))
そして 風呂から出てしばらくすると
ピコン. . .⭐︎
明日和((あ!! ちーちゃんから、メールだ、、、、、))
ちあき
[おつ〜⭐︎明日の夜なんだけど ヨシくんを おかんが面倒見てくれるらしいから オールで映画いかない?⭐︎]
明日和
[ちーちゃん、、、ゴメン]
[映画行きたいんだけど 実は、家が火事になってしまって いろいろ大変だから しばらく会えないかもしれない(汗 ]
ちあき
[ちょっと何言ってるの?]
[それってホントのことなの?冗談だよね?てゆうか その冗談ウケないよ!]
明日和
[ちーちゃん、ホントなんだよ(汗)だから これから元の生活に戻す為に少しずつ やらなければいけないことが いっぱいあるんだよ、、、]
プルルルル. . . プルルルル. . .
明日和(あ、、はい、、、(汗)
ちあき(ねえ! なに なに!? ホントにそうなの!?(汗)いつ火事になって 君は今・・・・・)
ちあきに 事細かく悲惨な出来事を伝えた。
明日和(と、いうことなんだよ、、、だから ホント 何にもない人間になってしまってさ、、、(汗)
ちあき(あのさぁ、あしたね、映画行かなくていいけど、)
(君に会いたい!!)
(夜に少し会うだけなら良くないの!?)
明日和(ま、まあ、、少し会うくらいなら出来ないこともないけど、、、)
そして翌日の夜、アパートに行くと 紙袋を手に持つ ちあきは車に乗り込んだ。
ちあき(はい⭐︎!)
(これ、少しだけど おつにあげる⭐︎)
明日和(え!!)
ちあきに渡された紙袋の中には 仕事で着れそうなシャツと普段着で着れそうなシャツと ちあきが着ていたシャツとTシャツ、パンツ、靴下が各3枚ずつ入っていた。
ちあき(一着は わたしが着てたやつだけど、大きめで着たくて 実はメンズシャツだったの!かわいいチェック柄のシャツだったから買ったんだよね♡)
(おつにあげるよ!多分、着れると思うから⭐︎)
明日和(ちーちゃん。。。)
(ありがとう。。。こんなに。。(涙)
ちあき(おつ! おつは何もなくても かっこ悪くないからね!! )
(何もなくても わたしはおつが居るだけでいいの⭐︎⭐︎⭐︎)
(ね⭐︎だから これからも 一緒に居てね⭐︎また会おうね⭐︎)
(あとね、紙袋の中に 中身少ないけどお見舞いの封筒入ってて 佳乃ちゃんとエリカちゃんも協力してくれたから おつの休みの日に 足りないもの買いに行こうよ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎)
明日和(そぅなんだ、、、)
(ありがとぅ、、、 こんなことしてくれなくても良かったのに、、、(涙)
(ヨシくん 育てるのにお金使うんだから 僕なんかに 使わなくて良かったのに、、、(涙)
ちあき(ヨシくんを大事に育てるのも おつを愛するのも同じなの♡⭐︎)
(ネ♡⭐︎)
明日和(ありがとう。。。)
(ありがとう。。)
(ありがとう。(涙)
ただ例えれば♪
実る果実の 芳しく眩い香も♪
ひとつ 季節彩り♪
そっと 枯れ落ちたとて♪
蔦は絡まり 身は朽ち果てて♪
思い出の欠片 土に帰り♪
また花となるでしょう♪
Like a merry-go-round & round♪
また 春に会いましょう♪
・・・・・・・・・♪
急ぎ 廻れ 砕けても♪
果敢無く散るが故にも♪
今を待たずに♪
まわれ Hurry merry-go-round ♪
生き溺れても♪
また 春に会いましょう♪
春に会いましょう♪
春に会いましょう♪
ちあきに呼ばれ車の中で流れていた曲
「hideのアルバムJa,zooのHURRY GO ROUNDより引用
作詞 : hide」
(おっつ〜〜!!)
タッ! タッ!タッ!タッ!タッ!!
バタン!!
ドタバタ ドタバタ =3 ドサッ!!
(おっつ〜〜⭐︎)
ヨシくんが ちあきの前を走って車まで来て ドアを開けてあげると 助手席に飛び乗ってくる!
毎週木曜日の夜は仕事終わりに ちあきと二人で会っていたが 美成(よしなり)も来る時は、とにかく明日和と会えるのを楽しみに待っているらしく 美成のテンションはキョーレツに高い!
ちあき(ヨシくん! そこはダメ!!)
(後ろで おとなしく座ってて!!)
明日和の車の前列はベンチシートで 美成はよく明日和と ちあきの間に座りたがった。
ちあきに注意されアームレストを倒すと背もたれの間をすり抜けて後ろへ移った。
美成が来る木曜の夜は だいたい気の向くままにドライブをするパターンだった。
美成は幼いので夜に連れ歩く時は車の中でテレビを見させたり大好きな曲を聴かせてあげたり お腹が空いたら お菓子をあげたりして 三人でドライブデートをした。
美成は だいたい 一時間くらいすると指をくわえながら寝てしまうので 後部座席をフラットにして枕と掛け布団を用意していて いつでも寝れるようにしていた。
ただのドライブだけど ただ一緒に三人で過ごせれば それだけで幸せに感じれた。
そう、三人でいる時はどんな時でも幸せに感じれていたが この時は まだ明日和自身、この関係を自分の親に話す勇気がなかった。
なぜなら この三人での行動は友達からも 心配されるくらいだったからだ。
いずれ ちあきちゃんと一緒になったとしても 自分と血が繋がってない子供を育てるなんて 相当大変なことだって!絶対辞めた方がいい!!
女の子ならまだしも 男の子を育てるのは特に大変なんだから!!
もし自分との子ができたら 両方同じように可愛がれるとも限らないよ!!
絶対 自分の子のが かわいくなるって!!
それでもって手に職がないから 手伝ってもらうこともできないよ!!
車の免許も持ってないの? 今時 車も乗れないと不便だよ!!
夜の仕事をずーっとしてた子が昼間の仕事続けれるかね?
みんながみんな口を揃えて そう言ってきた。心配してくれているのは分かる。
しかし 明日和の心には一切 そんな言葉は響かなかった。
逆に言われれば言われるほど ちあき達を自分の力で幸せにしたくなったし あまり偏見の目で見る人は友達でも会いたくなくなった。
そんなある日 二人をアパートまで送った時に車から降りて 明日和に手を振ると 夕陽に染まり仲良く手を繋いで歩く哀愁漂う後ろ姿を見て強く心に違った。
絶対この二人が涙する日をつくってはいけない! 自分がまもる!!
と こんな気持ちを胸に ちあき達と過ごす日が続くと 朝帰りも増えて 母親には心配された。
母、久代(あんた 最近よく朝帰りしてるけど あまり寝ないで仕事に行ってて大丈夫なの?)
(睡眠不足で疲れて運転してると そのうち事故もするよ!!)
明日和(大丈夫!!ちゃんと仕事もできてるし そんな疲れてないから!!)
久代(そう言ってもねぇ、あんた 気をつけないと ホントにそのうち倒れるよ!!)
明日和(大丈夫、大丈夫!! そんなに心配ばかり してなくていいから!!)
久代(まったく、、、、、)
(バカ息子 親の心配 かえりみず)
明日和(訳のわからん五七五 詠んどらんでいいわ!!(笑)
(じゃあ、行ってきます!!)
親の心配をものともせず出勤したその日は 忙しかった。
予約の電話も朝から何度も鳴り スタッフ一同 アタフタ働いていた。
そんな中 後輩の原川君が 二回ほど予約ではないような内容の電話対応をしていた。
そして 明日和が担当する お客さんを終わらせると マスターの奥さんからお呼びがかかった。
奥さん(あすくん!! ちょっといい!?)
明日和(はい!! なんでしょう?)
明日和は奥さんが呼ぶ店の裏口から出ると、奥さんが深刻な顔をして
奥さん(あすくん、 あのね、 驚かないで聞いてね(汗)
明日和(は、 はい。)
奥さんの異様な雰囲気に正直 焦らずにはいられなかった!
(・・・・・・・・(汗)
奥さん(あのね、 今、あすくんの親戚の武内さん?から電話があってね)
明日和(はい?(汗)
((なんで親戚から電話なんだ!?(汗))
奥さん(あすくんのお家、火事になっちやったんだって!(汗)
明日和(えぇ!!? (汗)
奥さん(うん、でも、 あのね 、少し燃えただけみたいだから 心配しないでね、 あの、でも一度 お家に帰ってきて欲しいみたいなの!(汗)
明日和(そ、 そうなんですか(汗)
(じ、じゃあ、、、少し燃えただけなら そんなに心配することないですよね!! (汗)
奥さん(そ、そう!だから 運転だけ気をつけて 慌てないで一度 お家に行ってみてよ!(汗)
明日和(はい!!(汗) ちょっくら 見に行ってきますわ!)
(すみません(汗) 忙しい時に、、)
奥さん(いいのよ! いいのよ! とにかく気をつけて行くのよ!!(汗)
マスター(あすくん!! ホントに気をつけて行くんだよ!!)
明日和(ハイ!! すみません!! 失礼します!!)
((えらいことだ!! いったいどうなってんだ!?))
((何度掛けても電話は繋がらないし(汗))
((なんで電話に出ないんだ!!))
安全運転なんて なんとなくしかできなかった!!
飛ばせる道は アクセル全開で 走り続けた!!
そして、家の近所まで行くと 野次馬の人だかりが目についた。
次の瞬間 我が家に目を向けると、
絶望した、、、、、、、、。
少し燃えたどころか、全焼だった。
心配かけると家まで運転して帰ってくる時に事故を起こすといけないからという思いやりで 少し燃えただけと伝えられたようだった。
電話だって繋がる訳がない!家に繋がる電線は焼け落ちていた。
燃えた建物の横庭では親戚の人達と両親が話しこんでいて 一階の黒焦げになった衣装部屋にあった自分の服が全部溶けて水浸しになっているのが確認できる。
当然 全ての部屋で燃えるものは 全て黒焦げに、燃えにくいものは 溶けて 窓は全て割れてなくなり 壁もなくなるところは 燃え落ちて 天井は崩れ空が見え、家中水浸し。
何もかもが仕事に行っている間に なくなってしまった。
親戚、武内のおばさん
(あ!!明日和くん 帰ってきたのね!!)
明日和(どうしてこんなことに?、、、(汗)
おばさん( それがね、、、、)
明日和の兄の部屋が火元で火事となったようだ。
明日和には 病気とされて家に引きこもる八つ年上の兄がいて
その兄で裕一は身体の七割を火傷して久代が家に戻った時には救急車で運ばれていたようだ。
明日和の父、春明は 夜勤明けで寝ている時に犬の鳴き声と煙に気づきパジャマのまま慌てて家の外に逃げて怪我はなかった。
明日和(お母さん、ヴィヴィアン は?)
久代は 嗚咽しながら全て自分が見たことを説明してくれた。
この日、久代は家の近くにある職場まで出勤していたが 火事に気づいた近所の人が 久代の勤める会社まで報告に来たので慌てて家に戻ると消火作業中だった。
久代はこの時に飼っていた愛犬ヴィヴィアンの安否が当然気になり 家に近づくと ヴィヴィアンの鳴き声が聞こえた。
ヴィヴィアン は 助けやすい一番手前の部屋まで逃げてきていたらしく 久代は助けようとした。
しかし 真剣に消火作業に取り組む隊員に
隊員(奥さん!!何してるの!?)
(危ないから下がって!!)
久代(犬がいるんです!!(涙)
(大切な犬が ここの部屋に居るんです!!(涙)
ワン!ワン!ワン!ワン!
隊員(犬!?)
(犬なんていいから!!奥さんが危ないから下がって!!)
(はやく!!)
久代(犬がいるんです!!(涙)
隊員(危ないですから!!)
ワン!ワン!ワン!ワン!ワン!
久代(ヴィヴィぢゃぁあん!!(涙)
(あああああぁ(涙) うああぁぁぁ(涙)
ワン! ワン! ワン! ワン!
ワン! ワン!
ワン! ワ、 ヮ、 、
ヮ. . . .
(ヴィヴィぢゃぁぁぁぁあん(涙)
そして鎮火後 久代は一番手前の部屋のソファーの下に隠れて横たわり 少しだけ息のあるヴィヴィアン を抱き寄せた。
全身は水浸し 口の中は爛れて半開きになって眼光も弱くなっていたらしい。
たまたま火事の情報を知らされた明日和の友達で竜也が 駆けつけてきてくれて ヴィヴィアンと両親を車に乗せて動物病院に連れて行ってくれたらしいが 車中で久代が声をかけたら一声 (ワン!!)と鳴き 動かなくなったらしい。
もう涙も出なかった。
あまりにも衝撃的な出来事が突然に自分の身に降りかかると泣くことすら忘れてしまうものだった。
何か残った物はないのか?気になり 焼け焦げた家の中に入ってみたが そこにあったのは ただ今日の朝まで家族が生活をしていた空間が無理矢理 燃やされて溶かされて流された現実だけだった。
少しでも使えそうなものを探しても ほとんどが 灰やすすが混ざって濡れていて 使い物にならなくなっていた。
そして この夜から親戚の武内宅に 居候させてもらうことになった。
500坪くらいある土地に建つ家で一人暮らしをしていたから 離れの家をまるまる使わせてもらえ、そこはありがたいことで助かった。
明日和はシャワーを浴びて昼間の作業で汚れた手を見ると
明日和((爪、汚れてるし伸びてるなぁ、、、、 切らないと))
(( 爪切り、、、ないよな、、、、))
そう 何もかも無くなってしまったので爪切りですら 何もかも また買い集めなくてはいけなくなってしまった。
明日和((当分、ちーちゃん達とも会えないかもしれないなぁ、、、))
((デートで着る服すらないし))
((ハ、ハハハハハ))
((笑えちゃうなぁ、、、、下着も靴下もシャツだってパンツだって 仕事着だって 買い集めなくてはいけない、、、))
((こんなに なにもない男、魅力ないだろうなぁ、、))
そして 風呂から出てしばらくすると
ピコン. . .⭐︎
明日和((あ!! ちーちゃんから、メールだ、、、、、))
ちあき
[おつ〜⭐︎明日の夜なんだけど ヨシくんを おかんが面倒見てくれるらしいから オールで映画いかない?⭐︎]
明日和
[ちーちゃん、、、ゴメン]
[映画行きたいんだけど 実は、家が火事になってしまって いろいろ大変だから しばらく会えないかもしれない(汗 ]
ちあき
[ちょっと何言ってるの?]
[それってホントのことなの?冗談だよね?てゆうか その冗談ウケないよ!]
明日和
[ちーちゃん、ホントなんだよ(汗)だから これから元の生活に戻す為に少しずつ やらなければいけないことが いっぱいあるんだよ、、、]
プルルルル. . . プルルルル. . .
明日和(あ、、はい、、、(汗)
ちあき(ねえ! なに なに!? ホントにそうなの!?(汗)いつ火事になって 君は今・・・・・)
ちあきに 事細かく悲惨な出来事を伝えた。
明日和(と、いうことなんだよ、、、だから ホント 何にもない人間になってしまってさ、、、(汗)
ちあき(あのさぁ、あしたね、映画行かなくていいけど、)
(君に会いたい!!)
(夜に少し会うだけなら良くないの!?)
明日和(ま、まあ、、少し会うくらいなら出来ないこともないけど、、、)
そして翌日の夜、アパートに行くと 紙袋を手に持つ ちあきは車に乗り込んだ。
ちあき(はい⭐︎!)
(これ、少しだけど おつにあげる⭐︎)
明日和(え!!)
ちあきに渡された紙袋の中には 仕事で着れそうなシャツと普段着で着れそうなシャツと ちあきが着ていたシャツとTシャツ、パンツ、靴下が各3枚ずつ入っていた。
ちあき(一着は わたしが着てたやつだけど、大きめで着たくて 実はメンズシャツだったの!かわいいチェック柄のシャツだったから買ったんだよね♡)
(おつにあげるよ!多分、着れると思うから⭐︎)
明日和(ちーちゃん。。。)
(ありがとう。。。こんなに。。(涙)
ちあき(おつ! おつは何もなくても かっこ悪くないからね!! )
(何もなくても わたしはおつが居るだけでいいの⭐︎⭐︎⭐︎)
(ね⭐︎だから これからも 一緒に居てね⭐︎また会おうね⭐︎)
(あとね、紙袋の中に 中身少ないけどお見舞いの封筒入ってて 佳乃ちゃんとエリカちゃんも協力してくれたから おつの休みの日に 足りないもの買いに行こうよ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎)
明日和(そぅなんだ、、、)
(ありがとぅ、、、 こんなことしてくれなくても良かったのに、、、(涙)
(ヨシくん 育てるのにお金使うんだから 僕なんかに 使わなくて良かったのに、、、(涙)
ちあき(ヨシくんを大事に育てるのも おつを愛するのも同じなの♡⭐︎)
(ネ♡⭐︎)
明日和(ありがとう。。。)
(ありがとう。。)
(ありがとう。(涙)
ただ例えれば♪
実る果実の 芳しく眩い香も♪
ひとつ 季節彩り♪
そっと 枯れ落ちたとて♪
蔦は絡まり 身は朽ち果てて♪
思い出の欠片 土に帰り♪
また花となるでしょう♪
Like a merry-go-round & round♪
また 春に会いましょう♪
・・・・・・・・・♪
急ぎ 廻れ 砕けても♪
果敢無く散るが故にも♪
今を待たずに♪
まわれ Hurry merry-go-round ♪
生き溺れても♪
また 春に会いましょう♪
春に会いましょう♪
春に会いましょう♪
ちあきに呼ばれ車の中で流れていた曲
「hideのアルバムJa,zooのHURRY GO ROUNDより引用
作詞 : hide」