逃げても逃げても追いかけてくるの
しかも今は……

私の両耳のすぐそば……

すぐ……後ろから……

その音は聞こえてきていた。

私は思わずソファに顔を埋め、
両耳を両手で乱暴に抑えた。

チャンチャンチャンチャン………!!!!!!!!!!

けれど…まだ聞こえる……

手の間を器用にすり抜けて
私の鼓膜へ巧妙に入り込んでくるその音…。

もう……なに……!!

なんなのこれ……っ!!

チャン……。

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