逃げても逃げても追いかけてくるの


「…」

気が付くと音は止んでいて、
私は恐る恐る耳から手を離した。

どのくらいその奇妙な音に
耐えていたのだろう…。

体感では優に1時間ぐらいは
経っていると思った。

けれど、恐る恐る固く閉じていた目を開けて
スマホを確認すると

4時45分、と表示されていた。

とてもたった1分程の出来事だとは
思えなかった。
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