逃げても逃げても追いかけてくるの
ウ​─────…ウ​───────…

その日。

この島にはあまり似つかわしくない
サイレンの音が響き渡った。

こんな物騒な音を聞くのは
生まれて初めてだった。


「桃…、このブランコ好きだったよね」

寂しげに配置されたブランコを見て
凛がそっと呟く。

「うん…1番乗ってた」

桃が遺体で発見されたその日。

私達6人は公園に居た。

集まろう、なんて誰も言ってない。

ただ、桃の事を聞いて
みんな魅神橋にやってきたのだ。
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