逃げても逃げても追いかけてくるの


「……」

あの時……はきっと昨日の事。

昨日……
桃が作ってきたクッキーを
食べようとした時に
昨日が魅酔の日である事に気付き、
大急ぎで家に帰ったから……

結局誰1人として、
桃のクッキーを口にしなかったのだ。

((「クッキー焼いてきたの〜っ」
「今日、上手く焼けたんだぁ〜っ」……))

昨日の桃の嬉しそうな顔が蘇り、唇を噛む。

桃が死んだと知って以来。

桃の笑顔ばかりが浮かぶ。
< 119 / 670 >

この作品をシェア

pagetop