逃げても逃げても追いかけてくるの
「……」
あの時……はきっと昨日の事。
昨日……
桃が作ってきたクッキーを
食べようとした時に
昨日が魅酔の日である事に気付き、
大急ぎで家に帰ったから……
結局誰1人として、
桃のクッキーを口にしなかったのだ。
((「クッキー焼いてきたの〜っ」
「今日、上手く焼けたんだぁ〜っ」……))
昨日の桃の嬉しそうな顔が蘇り、唇を噛む。
桃が死んだと知って以来。
桃の笑顔ばかりが浮かぶ。