逃げても逃げても追いかけてくるの
そんな様子を私は漠然と視界に収めていた。

凛はポロポロと
声も出さず、ただ涙を流し始めている。

「ごめん…っ、うぅ…、私があの時…
怪奇月食、みんなで見に行こうなんて、うっ…うぅ…言ったから…っ、」

「凛…」

「私のせいだ…っ、桃も、っ、優斗も…ぅ、
死んじゃったのっ、私のせいだよ…っ、
思い出…っ、作りたかっただけなの…っ、
みんな、卒業して…っ、なかなか会えなくなっちゃっ…うなって…ぅ、
思って…っ、、う…ぅっ」

責任感が人一倍強い凛が、
全ての責任に押しつぶされたように
泣いているその姿は見ていられなかった。
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