逃げても逃げても追いかけてくるの
フリをして私は机に肘をつきながら
みんなの様子をぼーと眺めていた。

翔はいつもの事だけど
机に額をくっつけて
とんでもない姿勢で爆睡していて、

陽介は
ペラペラペラペラと慌ただしく
ページをめくりあげていた。
けれどその音がうるさかったのか

隣の席の凛が
「もう少し静かにめくれないの」
と小声で囁いていた。

ふれあは相変わらず
筆箱の陰に隠れてスマホをいじっている。

ゲームをやっているのか、
指を動かすスピードが尋常じゃない。
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