逃げても逃げても追いかけてくるの
「つーかさ、」

そこでずっと机に突っ伏していた体制だった
翔がゆっくりと起き上がって口を開く。

「魅酔の日って、
除草剤撒いてんじゃねぇの?」

当然、とでも言いたげな顔をして、
そう言った翔に、
私含めた今ここにいる全員が
キョトン、とした顔を翔に向ける。

「除草剤?って、草枯らすやつか?」

陽介が教卓から飛び降りながらそう言った。

「あぁ。除草剤は子供の体に悪いからって。
島の人達が気ぃ利かせて、
言ってるだけだと思ってたけど。俺は。」

「え、そうなの?」

「いや、分かんねぇけど…そうじゃねぇの?
だって5日、外出るとさ、結構草枯れてね?」

「あ〜、言われてみれば。」

確かに魅酔の日の翌日は
やたら草が枯れていて
全体的に、島が綺麗になった気がしていた。
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