逃げても逃げても追いかけてくるの
首にマフラーを巻いて、
厚手の手袋をして、

街灯がポツポツと不規則に並んだ
薄暗い坂を下る。

空には途切れ途切れの雲が浮かんでいて、
その隙間から僅かに月の影が見える。

楽しみだなぁ。

学校以外でみんなと集まる事は
なかなかないし、

夜に外へ出る事もなかなかないので、
私は少し浮かれていた。

夜の世界って、なんだか
特別な感じがして好き。

まるでみんな、
どっか遠いとこに行っちゃって、

この広い世界に私だけがぽつんと
置いてきぼりにされたみたい。

本当にそうだったらそんなの嫌だけど。
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