逃げても逃げても追いかけてくるの

翔を人質に取られてしまってはもう……

どうする事も出来ない。

為す術なく私は
清水さんと翔の元に足を踏み出した。

「……」

けれど…

「く……る、な……、、い……け………っ、」

「……っ、」

苦しそうにそう声を上げた翔と目が合って
視界が歪む。

鼻の奥がツーンとして、
また自分が泣いている事を自覚する。
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