逃げても逃げても追いかけてくるの
((本当に困った時…その数珠を切れ。
お主らの……………))
「……か、の…」
──── 道標になるかもしれん ────
私は咄嗟に、右手首に付けられた数珠を掴み、
思いっきり引っ張った。
パチ──────────────ン………。
ふっと勢いよく糸が切れ、
そこから私を中心に輪を描いて
解き放たれたように
そこらじゅうに飛び散る数珠。
そこで私は……
意識を手放した。