逃げても逃げても追いかけてくるの
それから翔と私は
急いで学校に向かった。

向かう途中。

やはり全てが止まっていた。

そこら中に蔓延る
さっきまで多分私達を探し回っていたで
あろう島の人も…ピタリと動きを止めていた。

風に揺れていたであろう木々のざわめきも、
鳥のさえずりも、

ピタリと止まっていて
何の音も聞こえてこない。

だから翔と私の地面を蹴る音が
より鮮明に遠くまで響いていた。
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