逃げても逃げても追いかけてくるの


「凛!陽介!」
「架乃!翔!」

学校へ到着すると玄関にしゃがみこむ
凛と陽介の姿があった。

「え、凛!?どうしたのこれ!?」

私は凛の片腕を見てすぐに声を上げた。

「…」

凛の左腕からは血がぽたぽたと垂れていた。

ハンカチで巻き付けてあるけれど、
流れ出る血の量と全然比例していない。

「……ゆきちゃんにやられたんだよ」

凛の代わりに陽介が答える。

「雪子先生に?!」

「いきなり、どっかから包丁持ってきて、
それで……」
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