逃げても逃げても追いかけてくるの
清水さんと同じだ…

あの人も何故か包丁を携帯していた。

「ごめんな、凛。俺の事庇ったせいで。」

「いや、陽介のせいじゃないでしょ。」

「いや、ゆきちゃんだからって
油断した俺が悪いわ…」

どうやら凛の負った怪我に
陽介は責任を感じているようだった。

「え……大丈夫なの?」

「ちょっと掠っただけだから全然大丈夫…」

そうは言うけれど、私もポケットから
ハンカチを取り出して凛の腕にくっつける。
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