逃げても逃げても追いかけてくるの
陽介がさらに大声でそう叫んだ直後。

ジャミガミ様は掴んでいた凛の髪の毛を
放り投げるようにして離し、
その反動で凛が
少し遠い地面に激しく叩き付けられた。

かと思ったら、立ち上がる隙さえ
与えられる事無く、

ジャミガミ様は凛の首根っこを
片手でグイッと掴み、凛を軽々と持ち上げた。

ずっと体を低くして、
地面を這っていたジャミガミ様。

けど今はピンと。まるで真っ直ぐ
天に引っ張られているかのように
立ち上がっていた。

​───────気が付かなかった。
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