逃げても逃げても追いかけてくるの
けど結局。

「架乃…、
なんか霧薄くなってきてねぇかっ…?」

ずっと、うっすらと漂っていた霧が
急に薄くなってきた事に
意識を持っていかれ、言えなかった。

「え?あ…っ、、ほんとだ…っ、」

言い損ねた言葉を胸に、
悶々とした気持ちでさっきよりも少し
クリアになった景色を目で追った。

と言ってもただ、
木が茂っているだけだけど……。

見慣れない変化に少し戸惑い始めたその時。

「…………〜、」
< 622 / 670 >

この作品をシェア

pagetop