逃げても逃げても追いかけてくるの
空にはまだ沈みかけの太陽があった。

しばらく陽の光なんて、
木で遮られてたから
とっくに沈んでいると思っていた。

雲ひとつないオレンジ色の空の中。

海と空の境目は一際強く
オレンジ色に輝いていた。

そしてその光が全ての海に反射して、
宝石がばらまかれたみたいに
海がキラキラしていた。

「これが……海…」

生まれて初めて見るものだった。
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