逃げても逃げても追いかけてくるの
翔と私が出た場所は、
浅い崖、みたいな所。

ゴツゴツとした大きな岩が沢山、並んでいた。

気を抜いたら滑って、
海に転がり落ちてしまいそうだ。

「こんな風に…なってたんだな」

夕日に照らされた翔の横顔をこっそり見て。

まだ翔の左手に掴まれたままの
自分の右手首にゆっくりと視線を移す。

私がここに来れたのは、翔のお陰だ。
< 627 / 670 >

この作品をシェア

pagetop