逃げても逃げても追いかけてくるの

「……」

「今ならまだ間に合っ……」

「一緒には……、多分無理だ」

「……っ、」

「なんで……っ!?無理じゃないよ!!!
ねぇ翔!!!!」

「分かるだろ………?、架乃。」

「…っ」










「​───────わかんないよ…」

波の音にかき消されてしまいそうな程、

小さな声だった。

そんな声しか……出なかった。

「……」
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