二次元の外には、予想外すぎる甘々懐妊が待っていました
エピローグ
 2年後の12月24日 夕方。香澄の自宅にて。
 
「香澄ー来たわよー」
「先輩、ありがとうございます!」

 香澄は、キレイめのワンピースエプロンを身につけたまま、玄関の扉を開ける。
 最高級の女性もののブランド品を身につけた拓人が、眩しい光を放っていた。

「ほら、これケーキ、持ってきたから」
「わあ、美味しそうですね」
「それからこれは、未来に」

 拓人が渡したのは、1歳になったばかりの香澄の愛娘、未来のための洋服の数々。
 それも、1着で万札が吹っ飛ぶような代物ばかりなので、香澄は恐縮しっぱなしだった。

「いつもすみません……」
「何言ってるのよ。私の姪よ。めいっぱいセンス磨いて、立派なレディーにしなきゃ。さ、未来にご挨拶しなきゃ〜」
「リビングで遊んでるので、相手してもらえると嬉しいです」
「そのつもりよ。あの男より私の方が未来を愛してるって、覚え込ませないとね」

 香澄は、拓人が狭い玄関で50万するヒールをぽいと脱ぎ捨てるのをハラハラ見ながら、リビングに拓人を案内した。
 拓人のお目当ては、すでに扉の前まで来ていた。

「まー!未来ちゃんー!あなた、私が来たの気づいて迎えにきてくれたのねー!」

 拓人はそのまま、未来を抱き上げてぎゅーっと抱きしめた。

「あー可愛い。ねえ香澄。やっぱりあの男なんかより、私と一緒に暮らしましょうよー」
「それは、涼先生が嫌がると思うので……」
「嫌がらせなんだから当たり前じゃない。それにしても、またこのリビング、少し変わった?」
「あ、はい。私が家事とシナリオの仕事をしやすいように、家具の配置考えてくれたんです」
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