二次元の外には、予想外すぎる甘々懐妊が待っていました
「んっ……」

 つんつんと、香澄の熱に熟れた唇が、リョウの唇でつつかれる。
 その軽やかさに、つい香澄は唇を開いてしまった。
 そこを、リョウは見逃さない。

「んー!!!」

 リョウの舌が、香澄の口の中を優しく撫でる。
 シャンパンの香りが、香澄の口腔内に満ちていく。
 
(息が……できない……)

 香澄は、まだ脱がされていなかったリョウの白いシャツを掴んで気づく。
 シャツ越しに感じるリョウの体温は、さっき抱き寄せられた時よりずっと熱くなっていたことに。

「あっ……」
「ほら、息を整えて」
「はい……」
「いい子だね、香澄」
「んんっ……」

 慣れてない香澄を思ってだろうか。
 リョウは、時々唇を軽く離して、香澄の呼吸のための間を作ってくれる。
 その時を狙って香澄が深呼吸をするたびに、リョウの熱まで体内に侵入する。
 その熱が、どんどん香澄を内側から支配していく。
 この、極上の男と繋がりたい。
 そんな欲望が、香澄の理性を殺していく。

「香澄、どう?」
「んっ……」
「キス、気持ちいい?」
「きもちいい……」

 この時の香澄は、与えられる刺激に身を任せたいという欲の海に満たされていた。
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