ぐーたらネコになってみたい!!☆私は貴方の腕の中で丸くなる☆

再会…渉


 研修医時代毎日がハードで逃げたいと思ったことは一度や二度ではない。

 父親も医師よく比べられた。
 それでも自分で選んだ道だからと踏ん張ってきた。


 そんなとき美里に出会った、夜勤務を終え帰ろうとしたとき先輩から緊急ですぐ呼び出されすぐに診察室へ。


 そこにいたのが小さな女の子と美里だった、女の子は腕の怪我の痛みで泣いていて必死に側で励ましている。俺は母親だと勘違いをしていた。


 美里も腕に怪我をしている、いったい何があったのか??先輩から指示を受け女の子の怪我の処置をし、母親なのに何をしていたんだと軽く怒りもこみ上げてきて美里に冷たい目を向ける。


 彼女には一旦待合室で待ってもらい、女の子の処置が終わり処置室のドアを開けたとき『娘はどこですか?』息を切らしながら女性が走ってきた。


 もしかして母親?では彼女?俺は誤解だったとはいえ彼女に失礼な態度をとってしまった。

 待合室で待っていたはずの彼女の姿がない、トイレか?とおもったが書きかけのカルテに名前と「急用が出来ました、ごめんなさい」とメッセージ。


 まだ診察もしてないそれに怪我もしているのに、はぁ…と溜め息…。住所が分からない、これでは捜せない!


 ひどい怪我をしていたのに!


 後でわかったことだが公園で一人遊んでいた女の子が高さのある遊具から落ちてきて、美里は必死に受らしい。それなのに俺はバカだ。


 その場の判断で誤解をし、本当に急用だったのか?もしかしたら俺の?せいかもしれない。


 他の病院できちんと診察を受けてくれるといいけど。


 母親でもないのに女の子を守るように抱きしめていた美里、その姿が俺はずっと忘れられなかった。


 そして彼女の名前も。

 数年後俺は偶然にも美里に会うことができた。忘れられなかった優しく温かい笑顔、まもりたいそう思わずにはいられなかった。


 



 


 



 
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