90日のシンデレラ
6*悪魔なカレシができたかもしれない
窓外の流れゆく景色は変わらない。天井からみえる空だってそう。光るビルの丘を越えて、高速道路は上下左右とうねりをつけてまだまだ続いている。
(嘘って、一体何が嘘なの?)
(最初のガイダンスから面白いと思っていたって、それも、どういうことよ?)
(もしかして、いいようにからかわれている? 今だけでなく、今までずっと私のこと、からかっていった?)
何気ない北峰のセリフから、真紘は新しい謎に遭遇してしまう。思い返せば北峰の行動は理解不能なものが多くて、真紘はそのたびに悩んでいた。これはすべて真紘をだますために、わざと彼が行っていたとしたら……
そんな思考が湧いてきて、真紘の混乱に拍車がかかる。
(私をだまして、どういうメリットがある?)
(あ、でも、間借りをふざけたものに仕立ててしまえば、最後の後片付けが楽になるかも)
(あれは、おふざけでした~っていってしまえば、いろいろチャラにできるし。それを狙って?)
首都高ドライブを楽しむ余裕がやっと出てきたのに、すっかりそれは吹き飛んだ。
そうさせた張本人の北峰は相変わらずの涼しい顔で、楽しそうに運転をしている。
(からかっているとすれば……)
(この車のことも、そうかも)
(とすれば……)
どれがからかわれているもので、からかわれていないものなのか、真紘には区別がつかない。
でも今こうやって車に乗っている状態で、明らかに嘘があるのなら、きっとこの車のことも含まれているのでは?
反撃といわんばかりに、真紘はこう尋ねてみた。
「もしかして、この天井、開けることができるのですか?」
「お、気がついたか!」
なかなか鋭いじゃん! といわんばかりの、北峰の声。北峰がからかっていたのは、やはり車のこと。なんとなくの真紘の推測が当たった瞬間だった。
(嘘って、一体何が嘘なの?)
(最初のガイダンスから面白いと思っていたって、それも、どういうことよ?)
(もしかして、いいようにからかわれている? 今だけでなく、今までずっと私のこと、からかっていった?)
何気ない北峰のセリフから、真紘は新しい謎に遭遇してしまう。思い返せば北峰の行動は理解不能なものが多くて、真紘はそのたびに悩んでいた。これはすべて真紘をだますために、わざと彼が行っていたとしたら……
そんな思考が湧いてきて、真紘の混乱に拍車がかかる。
(私をだまして、どういうメリットがある?)
(あ、でも、間借りをふざけたものに仕立ててしまえば、最後の後片付けが楽になるかも)
(あれは、おふざけでした~っていってしまえば、いろいろチャラにできるし。それを狙って?)
首都高ドライブを楽しむ余裕がやっと出てきたのに、すっかりそれは吹き飛んだ。
そうさせた張本人の北峰は相変わらずの涼しい顔で、楽しそうに運転をしている。
(からかっているとすれば……)
(この車のことも、そうかも)
(とすれば……)
どれがからかわれているもので、からかわれていないものなのか、真紘には区別がつかない。
でも今こうやって車に乗っている状態で、明らかに嘘があるのなら、きっとこの車のことも含まれているのでは?
反撃といわんばかりに、真紘はこう尋ねてみた。
「もしかして、この天井、開けることができるのですか?」
「お、気がついたか!」
なかなか鋭いじゃん! といわんばかりの、北峰の声。北峰がからかっていたのは、やはり車のこと。なんとなくの真紘の推測が当たった瞬間だった。