90日のシンデレラ
いつもならマンションを出て、右側へいく。お気に入りのパン屋が入っているデパートも、本社への通勤路も右である。
でも今日の真紘は、反対側に足を向ける。ブルーツリーとは別のもうひとつのことを調べるために。
マンション・エントランスを出て左に向かえば、きれいに借り揃えられた植え込みが続く。長い植え込みが切れると、マンション住人の駐車場の出入り口となる。そこから隠れたように配置されている階段、もちろんセキュリティーゲートの向こう側なのだが、を見つけた。北峰が真紘をエスコートをした階段である。
(あー、通勤とは逆方向だから、全然気がつかなかった)
(そういえば、こっち方面って歩いていなかったなぁ~)
すごく近所なのに、未知なるエリアが広がっていた。借り上げマンションから本社とデパートまでの動線しかなかった真紘には、とても新鮮にみえた。
また北峰と歩いたのは深夜であれば昼前の今の時間は明るくて、みえていなかったものがみえる。瞳に映る世界が違っていれば、同じエリアとは思えない。
不思議な感覚とともに真紘は、ひとつめの目的を達成すべく歩み出した。
記憶の中では、クーペから自室まで角を曲がったのは二回。その角には街灯が立っていた。夜の記憶を昼に当てはめるのは頼りないと思いながらも、そこまで迷わない。あっさりと目的地、昨晩のクーペの路駐場所にたどり着いた。
そこは、整備された歩道の一部がくり抜かれて作られた駐車スペース。縦列駐車のガイドラインが引かれている。昼の今も、二台の車が停まっていた。
でも今日の真紘は、反対側に足を向ける。ブルーツリーとは別のもうひとつのことを調べるために。
マンション・エントランスを出て左に向かえば、きれいに借り揃えられた植え込みが続く。長い植え込みが切れると、マンション住人の駐車場の出入り口となる。そこから隠れたように配置されている階段、もちろんセキュリティーゲートの向こう側なのだが、を見つけた。北峰が真紘をエスコートをした階段である。
(あー、通勤とは逆方向だから、全然気がつかなかった)
(そういえば、こっち方面って歩いていなかったなぁ~)
すごく近所なのに、未知なるエリアが広がっていた。借り上げマンションから本社とデパートまでの動線しかなかった真紘には、とても新鮮にみえた。
また北峰と歩いたのは深夜であれば昼前の今の時間は明るくて、みえていなかったものがみえる。瞳に映る世界が違っていれば、同じエリアとは思えない。
不思議な感覚とともに真紘は、ひとつめの目的を達成すべく歩み出した。
記憶の中では、クーペから自室まで角を曲がったのは二回。その角には街灯が立っていた。夜の記憶を昼に当てはめるのは頼りないと思いながらも、そこまで迷わない。あっさりと目的地、昨晩のクーペの路駐場所にたどり着いた。
そこは、整備された歩道の一部がくり抜かれて作られた駐車スペース。縦列駐車のガイドラインが引かれている。昼の今も、二台の車が停まっていた。