余裕な後輩くんは,一途に先輩を想う。
しんっじらんない!
過ぎ行く車の光が,やけに眩しい。
そんな冬を目前にした夜の道で,重たく息を吐くのは私。
「しんっじらんない!」
そう叫ぶのも,私。
ため息の理由はたった2つだけ。
何でこんな目に。
それが1つ。
そして
「重ったいなぁ」
これで2つ。
隣をちらり見やれば,そこではとっくに成人した男が私の肩に頭を乗せてへろへろと足を動かしている。
佐藤 出雲,22歳独身。
その男は
今年27になった私,桜島 真依の職場の後輩である。
何故,なぜ。
繰り返すようにまた思えば,ズキズキとこめかみが痛んだ。
「佐藤くん,佐藤」
あーだめ,返答なし。
やっぱりと思うところもある。
「めんどくさいおっさんに囃し立てられて…飲み対決っていつの時代よ。最後ちゃっかり楽しんでたの,見てたんだからね。全く,自分のキャパも分かんないでどうするの。お酒で命落としてもしらないんだから」
ぶつぶつ,ぶつぶつ。
そう唱える私は,全くの素面だ。
そんな冬を目前にした夜の道で,重たく息を吐くのは私。
「しんっじらんない!」
そう叫ぶのも,私。
ため息の理由はたった2つだけ。
何でこんな目に。
それが1つ。
そして
「重ったいなぁ」
これで2つ。
隣をちらり見やれば,そこではとっくに成人した男が私の肩に頭を乗せてへろへろと足を動かしている。
佐藤 出雲,22歳独身。
その男は
今年27になった私,桜島 真依の職場の後輩である。
何故,なぜ。
繰り返すようにまた思えば,ズキズキとこめかみが痛んだ。
「佐藤くん,佐藤」
あーだめ,返答なし。
やっぱりと思うところもある。
「めんどくさいおっさんに囃し立てられて…飲み対決っていつの時代よ。最後ちゃっかり楽しんでたの,見てたんだからね。全く,自分のキャパも分かんないでどうするの。お酒で命落としてもしらないんだから」
ぶつぶつ,ぶつぶつ。
そう唱える私は,全くの素面だ。
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