余裕な後輩くんは,一途に先輩を想う。
そう。
タイミングは,確かにあった。
中学から徐々に見え始めた,異性の好意。
でも,だけど。
付き合うとか全部全部分かんなくって。
どんなに格好いい男の子の話も全て蹴って。
だって,どんなに考えてもやっぱり分かんなかったし。
何より,彼らは皆私を分かってないみたいだったし。
そう悩んでいる間に,年齢を追う毎にその意味と難易度は分かりやすく上がっていって。
こんな訳の分からない生き物に私はなった。
「……いいじゃん,それで。そのままでいてよ,先輩」
「もうっ何なのさっきから!」
いい加減にして!
そう上体ごと振り返った私はとても驚く。
佐藤くんにふわりと抱き締められたような,錯覚をしたから。
はっと息を引いたその一瞬が,5秒にも感じられた。
「せんぱい,言ったでしょ?」
忘れちゃったの? と彼は言う。
「なにが…!」
ヤケクソになって,彼を見もしずに答えれば
「先輩のこと,好きっていったじゃん」
タイミングは,確かにあった。
中学から徐々に見え始めた,異性の好意。
でも,だけど。
付き合うとか全部全部分かんなくって。
どんなに格好いい男の子の話も全て蹴って。
だって,どんなに考えてもやっぱり分かんなかったし。
何より,彼らは皆私を分かってないみたいだったし。
そう悩んでいる間に,年齢を追う毎にその意味と難易度は分かりやすく上がっていって。
こんな訳の分からない生き物に私はなった。
「……いいじゃん,それで。そのままでいてよ,先輩」
「もうっ何なのさっきから!」
いい加減にして!
そう上体ごと振り返った私はとても驚く。
佐藤くんにふわりと抱き締められたような,錯覚をしたから。
はっと息を引いたその一瞬が,5秒にも感じられた。
「せんぱい,言ったでしょ?」
忘れちゃったの? と彼は言う。
「なにが…!」
ヤケクソになって,彼を見もしずに答えれば
「先輩のこと,好きっていったじゃん」