余裕な後輩くんは,一途に先輩を想う。
どうしちゃったの!
「先輩今からきゅうけー?」
「うん…はは,そう」
意識するなとか,無理なんですけど!
謎の告白を受けてから,1·2·3日働いて土日を跨いだ昼休憩。
伸びをして立ち上がった私に佐藤くんは声をかけてきて,自然と2人で歩くことになる。
けれど,態度まで自然でいられる訳もなく。
私は作った笑みでにこりと目を細めた。
佐藤くんは気にする様子もなく,いつも通り何かを話し出す。
「それで今井さんが…」
そう,彼は変わらなすぎる。
最初は話し掛けて来すぎじゃない? と思ったいた私も,直ぐに思い出すことになった。
あ,この人元からだったわ。
と。
あまりに変わらない彼の様子に,自分はからかわれたのではと思う。
もしくは,ただの勘違い。
経験の多そうな彼は,好きという感情のハードルが下がっているような気がする。
あぁそうか,と数日たってようやくそこに辿り着いた私は,ほっと地面に息を吐いた。
「せんぱ~い! ん? あっ出雲くんもお疲れ~」