余裕な後輩くんは,一途に先輩を想う。
「…木村さん,お疲れ」



後ろから早足で手を振る彼女。

ついこけないかと余計な心配をしてしまう。

小走りですらないとしても,あの子はそれがあり得てしまいそうなのだ。



「お疲れ様です! 先輩,良かったら一緒にご飯行きませんか?」

「あっ……ごめんね木村さん。賞味期限切れそうなのあって…」



家から持ってきた袋をかさりと掲げる。



「ってまたコンビニじゃないですか!」



すると彼女は不満そうに口を尖らせた。



「たまには近くのお蕎麦とか行きましょ~よー」

「あそこ,明日は定休日でしょ? 明後日はどう?」



提案すると,花開くような笑みをぱっと浮かべる。



「えーいいなぁ先輩とご飯!」

「だめだよ,出雲くん。明後日は私となんだから」



こんなに仲良かったっけ?

2人は先輩先輩と話し出して,私はそれをぼけっと眺めた。
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