余裕な後輩くんは,一途に先輩を想う。
「それからずっと,催促もされず?」

「うん」

「ほんっと健気ですね~出雲くん。怖いだけかもしれないけど,どうせ振り向かせてみせるとかカッコつけたこと思ってるんだろーな~」



呆れたように,蕎麦をすすった。

あまり気にしていない様子の木村さんに,今度は私からも尋ねてみる。



「優良物件って……木村さんも思ってるんだよね? それってその,好きってことだったり……ほら,仲良いし」

「……え? 私? 出雲くんと?! 無いです無い! 私と出雲くんの繋がりなんて,先輩くらいしかないんですから!」

「わた,私?」

「そうですよ! 男女で向ける情の違いはありますけど! 話題なんてそれだけです。恋愛観情なんて……とにかくぜっったいないです!」
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