余裕な後輩くんは,一途に先輩を想う。
まさか,とじと見されて,私はたじたじになった。



「私に遠慮して返事を遅らせてるなんてこと,ないですよね?」

「そ,そんなんじゃないよ」



本当に違う。

何せそんなことまで,考えて無かったのだから。



「じゃあ何なんですか」



心なしかふてくされて見える。



「ね,ねぇ……?」



つかぬことを聞くのだけど




「なんですか」



まだ彼女はじとりと私を見て,自棄になった様子で蕎麦をすする。



「断るのって,どうしたらいいの……かな?」

「はぁ?! 結局断るんですか?! 何で!」

「だっだって……私は佐藤くんみたいに容姿がいいわけでもないし…」

「社内で1番綺麗で可愛いですけど?」
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