余裕な後輩くんは,一途に先輩を想う。
木村さんがはふっと熱い息を漏らして,目元を赤らめる。

え,何,可愛い。

私の語彙力は,死んだ。




「一ノ宮くんの事は,さん付けなんだ……」

「だっっ……て,は,恥ずかしいじゃないですか……」



辛うじて出ていた目も,木村さんは両手で隠してしまう。

本気で,好きなんだ。

私はどういうべきか分からなくなった。

恋愛相談なんて,経験がない。

そもそも自分に恋愛経験が無いのもあって,正直分からない。

でも,それだけじゃなくて……



『あの2人,なんか妙に仲良くなっちゃって……桜島さん,あの2人,まじでお願いします』



そこまで好きだと思っている相手に勘違いされて,しかも応援までされてるなんて……結構キツいんじゃない?

私なら,きっと耐えられない。

……そう思うような人がいるわけじゃないけど。

想像,そう,想像。
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