余裕な後輩くんは,一途に先輩を想う。
「……佐藤くん,私の事,ほんっと~に……す,好きなの?」



最後にちょっと口ごもると,呆れ怒ったように佐藤くんが息を出した。

憐れんだような視線を受ける。



「そこからなの? ちょっとショック」



そして今度は拗ねた顔をした。

可愛いとか思ってる場合では,断じてない。

思っても,ない。

……佐藤くんにとって,私を好きでいる事って,当たり前なの?

彼の態度でふと湧いた疑問。

私は1度,意識して脳内を真っ白にした。



「ん,ん"ん。年も……離れてるのに?」

「何いってんの? 学生と社会人ならともかく……普通でしょ。それに,俺は先輩が先輩なら,30·40でも気になんない」




えぇ?

私は佐藤くんが50だったら気になるよって,言ったら怒る?


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