余裕な後輩くんは,一途に先輩を想う。
……あ,れ?
返答がないな。
確かに一方的で,返しづらいかったかもしれないけど。
それはそれで,きつい。
脈絡無かったかな。
それともちゃんと伝わらなかった? 足りない?
気持ちだけが何とかしないとと急いで行く。
「あっあの……!」
砕けるのが先!
有名な慣用句の表現を,少し過激にした脳が全体に指令を送った。
今やらなくちゃ……!
勢いよく頭を上げると,丁度佐藤くんの両腕が私に伸びてきている所だった。
思わず目をぎゅっと瞑る。
胸の辺りで,私の両手がぴくりと震えた。
彼が怖かったんじゃない。
でも,何が起こるのか分からなくて,身がすくんだのは事実だ。
思いの外優しく,だけど確かに佐藤くんが私を抱き締める。
視界はやっぱり塞がれて,鼻先が肩に当たった。
う,わ……
そしてここまで来て初めて,私はどうしたって香る彼の匂いに赤面した。
返答がないな。
確かに一方的で,返しづらいかったかもしれないけど。
それはそれで,きつい。
脈絡無かったかな。
それともちゃんと伝わらなかった? 足りない?
気持ちだけが何とかしないとと急いで行く。
「あっあの……!」
砕けるのが先!
有名な慣用句の表現を,少し過激にした脳が全体に指令を送った。
今やらなくちゃ……!
勢いよく頭を上げると,丁度佐藤くんの両腕が私に伸びてきている所だった。
思わず目をぎゅっと瞑る。
胸の辺りで,私の両手がぴくりと震えた。
彼が怖かったんじゃない。
でも,何が起こるのか分からなくて,身がすくんだのは事実だ。
思いの外優しく,だけど確かに佐藤くんが私を抱き締める。
視界はやっぱり塞がれて,鼻先が肩に当たった。
う,わ……
そしてここまで来て初めて,私はどうしたって香る彼の匂いに赤面した。