Flower black ~Side Story~




「昴はどこにいるの……?」


「……こっちです」



私がそう呟くと、流星の人達は私を引っ張って霊安室へ連れて行った。


扉を開けると、目の前には寝てる昴が見える。


私はドサッと昴の前に膝をついた。




「昴……?」



そう問いかけても、いつものように"ん?"って私の顔を見てくれない。



「……寝てないで私を見てよ……」



ギュッと手を握っても、手を握り返して、優しく抱きしめてくれない。



「必ず戻るって言ったじゃない……」



なにを言っても反応をしない昴に、私は今まで零れなかった涙がポロポロと零れる。



< 50 / 66 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop