やっぱり…キスだけでは終われない

「カナ…どうした?元気がないみたいだけど、食事に行けそうか?家に送ろうか?」

「柾樹が…格好良すぎて…。みんなが見てて…いや…だなって…」

拗ねたような私の言葉を聞いた柾樹は、ここが公衆の場であるにも関わらず、いきなり私を抱きしめてきた。

「…!!…」

驚きすぎて声も出ない私とは逆に嬉しそうに目を細めている。

「カナがそんなことを言ってくれるなんて最高だ。いつも俺ばかりって思っていたからな」

「…俺ばかりって?」

「俺ばかりがカナの周りの男たちに嫉妬してたってこと。体調が悪くないなら行こう。カナに見せたいところがあるんだ」

上機嫌な柾樹に手を繋がれ歩き出す。

「今日は車ではないんですね?」
 
「うん。ちょっと確認したくてね」

「確認…ですか?」

「そう。いろいろ確認したいんだ」
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