やっぱり…キスだけでは終われない
幸せの中にある不安
再会から約3ヶ月…早くも私たちの結婚式の日が近づいてきた。式場はもちろんイル・ピュ・フィーネ。
同棲し始めてすぐにでも結婚すると言っていた柾樹も、さすがに結婚式だけは、“すぐ”とはいかなかった。
両家の顔合わせや結納を済ませ、式場での打ち合わせも、柾樹の段取り通り順調に進んでいた。
そこで問題になったのは私が式で着るドレス。製作にかかる時間が原因だった。
「彩未さんが絶対に自分が作るから、って言っていたからな。それにカナには適当なドレスではなくて、彩未さんが作ってくれたウェディングドレスを着せたい」
「アヤちゃんは前から私が結婚することになったら、ドレスは任せてって言ってましたけど…。柾樹がそれを知っていたなんて思っていなかったから、少し驚きました」
「彩未さんにはカナとの再会でだいぶ協力してもらったからね。それに彼女が作ってくれたドレスがカナを引き立ててくれることはわかっているし」
「ありがとうございます」と笑顔で答えた。