やっぱり…キスだけでは終われない

アヤちゃんの気持ちを柾樹もわかってくれていたことが嬉しかった。かなり強引になんでも進めていく彼が見せてくれた心遣いに改めて愛しさが募る。

まぁ…待ちきれないと言った柾樹が結納の後すぐに婚姻届だけ先に出すと言い出してしまったので、私の姓はすでに須藤になっていた。

本当になんでも急すぎて付いていくのが大変。婚姻届を書いていて初めて夫になる人の誕生日を知ったなんて、他の人が聞いたら驚くだろう。

そんな結婚式も再来週に迫ってきた。まだまだ準備が必要だし、式の後に新婚旅行に行くことになっているので、お互いに仕事も忙しく、同じ家で生活していなければ顔を合わす機会はなかっただろう。

「それにしても3ヶ月だぞ。俺もよく待ったよな…」

「待ったって…。付き合いだして3ヶ月で結婚式をあげるって、すごく早いと思いますよ」

「俺にとっては長かったんだよ…」

久しぶりに早く帰ってきた柾樹がベッドの端に座り、私を抱きしめてくる。
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