やっぱり…キスだけでは終われない
「アヤちゃん!?」
「大丈夫。彼はもともとカナのお見合い相手だった訳だし、変じゃないよ」
「変だってば!」
そんな会話の途中でアヤちゃんはスマホをいじり、どこかにメッセージを送ったようだった。おそらく修一さんだろう…。
「あ、既読がついた」
「え…。誰に…?なんて打ったの?」
「うふ。修一さんにカナがヴァージンロードを歩いている時に式場から連れ出して、ってお願いしたの」
「そんなこと頼まれたって、修一さんだって困るでしょう」
「後のことはその後で考えればいいのよ」
「そんなぁ…」
なんだかニヤニヤしているアヤちゃんと反対に私はどんどん表情がなくなる…。
修一さんがアヤちゃんからのメッセージを確認したというなら、今一緒にいるはずの柾樹にたぶん伝わってしまったと思う。どうしたらよいのかあたふたしていると、私のスマホがブルブルと振動しだした。柾樹からの着信だ。